外国人投資家が日本株を見る目が変わった
外国人投資家は、なぜそのように日本株を売ったり、あわてて買い戻したりしたのでしょう。それは、外国人投資家の日本株に対する見方が変わったからです。どう変わったでしょうか。大きいのは、政局と経済の見方が変わったことです。
【1】政局の見方が変化
「菅首相の元で自民党が衆院選に大敗、政権が一段と弱体化する」懸念から、「新総裁への期待で自民党支持率が回復、衆院選を乗りきった後、大型財政出動に動く」期待へと変わりました。
【2】日米の消費モメンタム(勢い)の差について見方が変化
非常に好調だった米景気が来年は減速する懸念が出ています。今年盛り上がったリベンジ消費(コロナ禍でできなかった消費がまとめて出ること)が一巡し、来年は減速する見込みです。
一方、コロナ感染拡大が長びいた日本の消費は不振です。このままいつまでも不振が長引くと見られていましたが、少し状況が変化する可能性があります。日本でワクチン接種率が急速に上昇し、2回接種完了者の比率が5割を超えた模様です。
1カ月以内に6割を超える見込みです。遅れていたワクチン接種率が急速に上昇し、欧米並みに高まる見込みです。これを受け、日本でも遅れてリベンジ消費が出るとの見方があります。
米国消費が減速する中、日本の消費が回復する期待が出たことが、米国株を少し減らして日本株を買い戻すアクションにつながった面もあります。