今日の為替トレッキング

今日の一言

「今を生きる」とは、将来の不安に心乱されず、過去を引きずらず、この瞬間に集中すること

Get Down Tonight

 8月雇用統計の詳しい解説は「いよいよこれが「最後の」雇用統計!パウエルFRB議長は、ホークスに勝利できるか?」をぜひお読みください。

 米国ではコロナ前の2020年1月に比べて、就業者数が約900万人減少しています。しかし今年4月のデータによると、ほぼ同数の求人募集がありました。仕事があるのに雇用が伸びないのは、なぜなのか。

 それは全米の企業が一斉に採用を拡大しようとしたため、十分な労働力を確保できなくなっているからだといわれています。米国の労働人口が減少しているわけではなく、短期的な雇用のミスマッチが理由です。

 米国の雇用市場は今、極端な売り手市場になっていて、できるだけ自分を高く売ろうとしたり、より良い仕事を求めて転職を繰り返したりしている人が多くいる。米国で4月に仕事を辞めた労働者の割合は、過去20年で最大の水準。失業給付金がたっぷりもらえるから、すぐに働かずにゆっくりと自分に合う仕事を探すこともできる。

 パウエルFRB議長は「月間100万人近い雇用増を見たい」と発言していました。もし非農業部門雇用者数が1ヵ月に100万人増えていくと仮定するならば、今年12月には、米国の雇用市場はコロナ前の完全雇用状態に戻ることができます。そうなれば、「米経済の著しい進展」の証拠が揃ったとして、米利上げに対するマーケットの期待は一気に盛り上がることになります。

 米労働省が発表したJOLT求人件数によると6月の求人は1,000万件を突破。これは失業者の総数を上回る件数です。いったんスイッチが切り替われば、人々は堰を切ったように雇用市場になだれ込み、毎月の雇用が100万人どころか、月200万人に急増するような「過熱」リスクも高まっています。