今週の要注意ポイント:RSIの動きとリスクオンの見極め
とはいえ、今週は気をつけておいた方が良いポイントも存在しています。
まず、ひとつめは、RSI(相対力指数)の動きです。
■(図5)日経平均(日足)とRSIの動き(2021年9月3日取引終了時点)
RSI(Relative Strength Index)とは、「売られ過ぎ」や「買われ過ぎ」に着目したテクニカル指標です。RSIの値は0~100%の範囲内で動き、数値が高いほど買われ過ぎと判断されます。
先週末3日(金)の日経平均のRSIは95%となっていて、かなり買われ過ぎのところに位置しています。チャートを過去にさかのぼると、90%を超えたあたりでいったん上昇がストップする局面が多いことがわかります。
そのため、今週は「どこまで上値を伸ばせるか?」よりも、「上昇がストップし、下げたところでしっかり買いが入るか?」の方が重要かもしれません。
そして、もうひとつが「リスクオン」の見極めです。日経225先物取引が一段高となったことは冒頭でも触れた通りですが、時間帯としては米雇用統計を受けてのマーケットでした。
その米8月雇用統計は、非農業部門雇用者数が予想を大きく下回り、平均時給が予想以上に増加する結果となりました。
一方ではテーパリング開始時期の後ずれ、もう一方では賃金上昇によるインフレ圧力がくすぶる内容となっており、実際に他の市場の動きを見ると、米株市場ではNASDAQが上昇したものの、NYダウ平均株価とS&P500が下落となったほか、欧州株も下落しています。
また、米10年債利回りは上昇し、ゴールド(金)の価格も上昇するなど、米雇用統計を受けたマーケットは、リスクオンに傾いたと判断するにはちょっと微妙な感じです。
直近の日本株の上昇の大きさは、今週末に控えるSQをめぐる思惑など需給的要因によるところが大きいという印象が強まったりすると、思ったよりも株価が伸びない、もしくは下落に転じてしまう、もしくは週初の株価が高値だったという展開も考えられますので、注意しておく必要がありそうです。