日経平均の上値の目標

 では、仮にこのまま日経平均が上値をトライする動きとなった場合、上値の目標はいくらぐらいになるのでしょうか?

■(図4)日経平均の移動平均線乖離率(75日)のボリンジャーバンド

出所:MARKETSPEEDⅡのデータを元に筆者作成

 上の図4は75日移動平均線乖離(かいり)率のボリンジャーバンドです。

 ここ最近のレポートでは、ボリンジャーバンドの+2σ(シグマ)から▲2σの範囲内を値動きの目安としてきましたが、先週の値動きで乖離率が+2σを大きく上抜けたため、違った角度から眺めていきたいと思います。

 足元の乖離率(ピンク色の線)は、ここ2週間のあいだに、▲2σから一気に切り上げて+2σを超えてきましたが、図4を過去にさかのぼると、昨年10月末に見せた動きと似ていることが分かります。

 当時は2月の高値へと向かう上昇トレンドの起点となりましたが、今回も同様の展開になるのではと考えることができます。

 そして、この期間の乖離率の動きを見ると、10%を超えたあたりで伸び悩んでいます。もっとも乖離率が大きかったのは、1月19日の11.59%、そして日経平均が高値をつけた2月16日の11.56%です。

 これになぞって、足元の乖離率が11.5%まで伸びると仮定するならば、先週末3日(金)の75日移動平均線が2万8,311円でしたので、計算すると3万1,566円ぐらいまでの上昇が見込めることになります。

 もっとも、このような展開となった場合、75日移動平均線自体も上昇していくことになりますので、実際の上値の目安も切り上がっていくことになります。

 また、先週の株価上昇を受けて、「日経平均は3万4,000円まで上昇する」という見方も出ているようです。

 いわゆる「目標値計算」のN計算値やV計算値の値に基づいたものと思われますが、先ほどの外国人投資家による買い基調の継続や、動き出した国内政治について、変化への期待が具体的な政策へと結びつけられるか、企業業績の伸び継続などの条件がタイミング良くそろえば、あながち無理筋な予想ではないのかもしれません。