資産形成の正解は人それぞれですが、一方で、多くの人が失敗してしまう考え方や、やり方があるようです。このシリーズでは、資産形成を始める人が陥りがちな失敗事例を取り上げ、やってはいけない行動をわかりやすく解説します。

お悩み

資産形成をするために、証券投資と不動産投資どちらを選ぶべきか?

安藤健太さん(仮名)会社員・28歳(独身)

 安藤さんは、将来のために少しずつでも資産形成をしていこうと考えています。そこで、雑誌やインターネットで資産運用の情報を見たり、すでに実践している友人から話を聞いたりしてみました。

 すると、投資のパターンには大きく二つあることに気づいたのです。

 一つは、投資信託で証券投資をするパターン、そしてもう一つは不動産投資しているパターンです。

 投資信託での投資では、つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)を利用して、毎月コツコツと給与からお金を貯蓄しながら、プロが運用してくれる投資信託を積立投資することで長期的な資産形成を目指しています。

 一方の不動産投資は、金融機関で不動産ローンを組んでお金を借りて、手元資金以上の投資用不動産を購入し、家賃収入を得たり、転売することで利ザヤを稼いだりして、ローン返済金額以上の収入を得ることを目的とした投資です。

 金融機関によっては、年収の10倍以上ものローンを組むことも可能なようです。

 安藤さんはどちらにも興味を抱きました。まだ資産形成を始めていない安藤さんにとって、最良の選択肢はどちらなのでしょうか。