第2四半期決算特筆の米国銘柄2:ドクシミティー(DOCS)

「ドクシミティー」はお医者さん同士、あるいはお医者さんと患者さんがつながるための、「リンクトイン」のようなSNS(交流サイト)です。ただし、従来のSNSと大きく違う点があります。

 気軽に従来のSNSを経由して、お医者さんが患者さんを問診してはいけないという規制があります。 これは、お医者さんが患者さんの病気に関する情報など、プライバシーにかかわる個人情報をやりとりする関係で、医療保険携行責任法(HIPAA : The Health Insurance Portability and Accountability Act)という法律が定めるコンプライアンス基準に適合する方法でしか、コミュニケーションを取ることは許されません。

 従来のSNSとは異なり、「ドクシミティー」はHIPAAの基準をクリアしたコミュニケーション・ツールなので、安心してお医者さんが使えるのです。

 また、お医者さんや患者さんは「ドクシミティー」を無料で使うことができます。この利用料は、製薬会社やヘルスケアシステムなどの大企業から取っています。これらの企業がお医者さんに営業攻勢をかける際、ドクシミティーのネットワークを利用すれば営業効率がとてもいい、お医者さんはたくさんの患者さんを病院に紹介し、お薬を処方しているからです。

 このように「おカネを持っている大企業からフィーをむしりとる」ビジネスモデルになっていることで、ドクシミティーのマネタイゼーションは、とてもうまくいっています。

 先に発表された第1四半期(6月期)決算ではEPSは予想8セントに対し11セント、売上高は予想6,362万ドルに対し7,270万ドル、売上高成長率は前年同期比+99.7%でした。

 純利益は2,630万ドル(前年同期は150万ドル)でした。純利益マージンは36%でした。

 修正EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は3,120万ドル(前年同期は390万ドル)でした。修正EBITDAマージンは43%でした。

 営業キャッシュフローは3,320万ドル(前年同期は880万ドル)でした。

 フリー・キャッシュフローは3,240万ドル(前年同期は760万ドル)でした。

 第2四半期の売上高は予想6,610万ドルに対し新ガイダンス7,300万~7,400万ドルが提示されました。修正EBITDAガイダンスは2,640万~2,740万ドルが示されました。

 2022年度の売上高は予想2.78億ドルに対し新ガイダンス2.97億~3億ドルが示されました。修正EBITDAガイダンスは1.06億~1.09億ドルが提示されました。

第2四半期決算特筆の米国銘柄3:マンデー・ドット・コム(MNDY)

 マンデー・ドット・コム(MNDY)は、「ノーコード・ローコード」のクラウド・プラットフォームを提供している企業です。

 ノーコード・ローコードとは、少ないコード、もしくはコードを書かなくても、積み木を組み合わせるようなカンタンさで、ビジネス・アプリケーションや管理ツールをカスタマイズして開発できることです。このため、ソフトウエア・コードを書く訓練をされていないような社員でも、ビジネス効率を上げることができます。

 そして、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)、人事、マーケティング、製品開発などのソフトウエアを取りそろえ、オートメーションを多用することで、ユーザーの反復入力の手間を省くことを、特に心掛けています。

 同社はアプリ・マーケットプレイス(自由参加型のネット取引市場)を展開しており、新しいアプリをユーザーが発見しやすくしています。

 最近発表された同社の第2四半期決算ではEPSは予想▲1.00ドルに対し▲26セント、売上高は予想6,211万ドルに対し7,060万ドル、売上高成長率は前年同期比+93.4%でした。

 第3四半期の売上高は予想6,595万ドルに対し新ガイダンス7,400万~7,500万ドルが提示されました。

 2021年の売上高は予想2.61億ドルに対し新ガイダンス2.8億~2.82億ドルが提示されました。