今日の為替トレッキング

今日の一言

最も重要な決定とは、何をするかではなく、何をしないかを決めることだ - スティーブ・ジョブズ

Every Time You Go Away

 7月のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録では、FRBが緩和縮小に前向きであることが確認されました。FOMC参加者は「インフレ率は著しく上昇」したとインフレ(物価の安定)の状況を評価する一方で、FRBのもうひとつのマンデート(法的使命)である雇用市場については、「労働市場の回復はまだ道半ば」だとして、もう少し様子を見る必要があるとの意見でした。

 そのため、パウエルFRB議長が今週末開催されるジャクソンホールでの講演では、緩和縮小(テーパリング)を予告する可能性は低いのではないかとの見方がでています。

 7月FOMCが開催されたのは7月27、28日。しかし7月雇用統計の発表は、FOMCより後の8月6日。

 その結果はどうだったかというと、非農業部門雇用者数が94.3万人増え、失業率は5.4%まで低下するという非常に強い数字でした。

 今月発表された、米消費者マインドを表す代表的指標であるミシガン大学消費者態度指数の8月は、予想を大きく下回る結果となって、米国景気の先行き楽観論に冷や水を浴びせました。これも、FRBは緩和縮小を急がないという見方につながっています。

 しかし、ミシガン大学消費者態度指数の詳細を見ると期待指数は低下していますが、 インフレ期待は10年ぶりの高水準に上昇しています。インフレ率の上昇が、消費者心理の悪化を引き起しているのであれば、緩和縮小はむしろ急ぐべきだという、反対の結論になります。

 パウエル議長は緩和縮小に対して慎重なようですが、FOMCのタカ派陣営は9月会合での決定を強く支持しています。