I’ve Got A Feeling

 今週18日(水曜)はFOMC議事録の公表があります。緩和縮小に関する手がかりを求める投資家の関心は高いようです。緩和縮小については、「いつ」ではなく「どれだけ」。開始時期の議論は卒業して、今は毎月の減額幅がマーケットにとって重要なのです。FRBは緩和縮小を終えてから利上げを開始するので、毎月の減額幅から利上げの時期を予測できるからです。

 6月のFOMCで最も話題になったのは「ドットチャート」でした。ドットチャートとは、FOMCメンバーが予想する米国の政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利の見通しで、毎年3、6、9、12月に公表されます。それぞれがひとつの点(ドット)として散布図になっているため、このように呼ばれています。

 今年3月の時点では「2023年末までゼロ金利維持」がメディアン(中央値)でした。つまりFRBの利上げは2024年になってから、というのがコンセンサスだった。ところが、6月のドットチャートでは、18名のFOMCメンバーのうち13名が、2023年末までに少なくとも1回の利上げを予想。中央値は、「2023年末までに2回」へと、利上げ時期がより早く、利上げ幅がより大きくなっていました。さらに7名は2022年末までに1回の利上げを予想。来月9月はどうなっているか。

 パウエルFRB議長は、ドットチャートは「あくまで個人の見解」と言っていますが、今月のクラリダ副議長の発言からすると、個人の見解どころか「FOMCの総意」と考えた方がよさそうです。