主婦業の傍ら、株式投資を始め、1億5,000万円の資産を築いたようこりんさんインタビュー。後編では投資初心者に向けて優待銘柄を選ぶときの注意点、そして、ようこりんさんがいま注目する優待株10銘柄をご紹介いただきます。

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割安で、株価上昇が期待できる優待銘柄を狙うべし

──では、ようこりんさんがいま注目している優待銘柄を教えてください。

ようこりんさん(以下敬称略) その前に、どういう視点で銘柄を選ぶべきか、まずお話ししたいと思います。たぶん初めて株を買う方だと、優待の中身で銘柄を選ぶ人が多いと思います。

 外食好きなので、お食事券がもらえる銘柄にしようとか、好きなものを選べるカタログギフトがもらえる銘柄にしようとか。もう少し投資の知識がある人だと、優待利回り、あるいは優待と配当を合わせた利回りで選ぶ人もいるでしょう。

 それらはもちろん大事なことですが、それに加えて、投資するに値する銘柄なのかどうかもよく考えてほしいと思います。

──それは、株価の上昇が期待できるかどうか、ということですか。

ようこりん はい、例えば株価1,000円の銘柄を100株買って、2,000円相当の優待をもらったとします。10万円分買って、2,000円の優待がもらえるわけですから、2%トクすることになります。

 ところが、その銘柄の株価が下落して980円になったとしたら、1株20円×100株で、2,000円の損失になります。

 つまり、いくら高価な優待品がもらえても、株価が下がったら意味がないんです。980円で済めばまだしも、それ以下になったらマイナスになってしまいますし。反対に1,020円になったら、優待と値上がり益を合わせて4,000円のプラスになるのです。

──株価が上がるかどうか、投資初心者には判断が難しそうです。

ようこりん そうなんですが、優待品だけで株を選ぶことはせず、どんな事業を行っているのか、その商品やブランドは人気があるのか、お店はにぎわっているのか、会社の売り上げは伸びているのかというくらいは簡単にわかります。せめてこのくらいは調べてほしいですね。

──銘柄選びの心得、よくわかりました。ほかに選ぶ基準はありますか。

ようこりん 私が株を買うときには、株価が上がるかどうかとともに、割安かどうかを重要視します。投資歴が長い人には「釈迦(しゃか)に説法」でしょうが、「安いときに買って高くなったら売る」というのが株式投資の基本です。

 でも、周りを見ていると、「なぜこんな高いときに買うの」と思うことが多いんです。だから、今回も割安な価格で買える銘柄に絞りました(編集部注:2021年7月27日現在)。