FRBが金融政策を変更する時の一連の流れを整理
以前このコラムでFRBが金融政策を変更する時の一連の流れについてお話ししましたが、その流れが一歩進んだのでもう一度振り返ってみたいと思います。
FRBの現在の金融政策は緩和政策なので、政策変更とは金融緩和から金融引き締めということになります。その流れとしては、
「(1)量的緩和→(2)量的緩和縮小開始→(3)量的緩和縮小終了→(4)利上げ開始→(5)保有資産の段階的縮小開始」となります。
現在、焦点となっているのは、現状の(1)「量的緩和」から(2)の「量的緩和縮小開始」の時期がいつかということですが、さらに(2)の段階は細かく段階が分かれ、(a)「縮小検討の議論開始」→(b)「縮小を示唆」→(c)「FOMCで縮小開始を表明」→(d)「縮小開始」となります。
7月のFOMC(連邦公開市場委員会)では、「今後の複数回の会合で引き続き進捗状況について評価する」と表明し、テーパリング開始に向けた議論が進んでいることを示唆しました。先程の流れでいうと、(2)-(a)の段階に入ったことになります。
そして「今後の複数回の会合で評価する」となると、年内のFOMC開催月は9月、11月、12月の3回ですので、9月と11月のFOMCで状況をみて12月にテーパリングの開始時期を表明し、来年1月に開始とのスケジュール感がメインシナリオになりそうです。今回の雇用統計はよかったのですが、やはりこのスケジュール感を早めることにはならなさそうです。