3メガ銀行は金利低下でも高水準の収益を維持
3メガ銀行は、金利低下期でも、安定的に高収益を稼いできました。「金利が下がると銀行の収益が悪化する」というイメージとは、異なります。
3メガ銀行の連結純利益:2014年3月期実績~2022年3月期(会社予想)
三菱UFJ FG、三井住友FGの連結純利益は、2019年3月期までは、長期金利がどんどん低下していく中でも安定的に高収益をあげています。みずほFGは、2019年3月期に国内商業銀行部門に帰属するソフトウエアの減損(特別損失)を出したため利益水準が低くなっていますが、本業利益は高水準でした。
つまり、3メガ銀行とも、2019年3月期までは安定的に高収益を稼いできたと言えます。
2020年3月期、2021年3月期はコロナ禍で信用コスト(貸倒償却および貸倒引当金繰入額)が増加したことによって、利益水準がやや下がりましたが、それでも高水準の利益を維持していたと評価できます。
発表になったばかりの2021年4-6月(2022年3月期第1四半期)の純利益は、三菱UFJ FGで3,830億円と通期目標の45%を3カ月で出す好決算でした。与信コストの低下が純利益の水準を押し上げています。
三井住友FG・みずほFGも同様、与信コストの低下が寄与して、通期の業績予想に対する進捗度は三井住友FGが34%・みずほFGが49%と高くなっています。前期に引き当てた貸倒引当金に一部戻し益が発生しています。
コロナ禍が終わったわけではないので、3社とも通期の業績予想・目標を修正しませんでしたが、上ぶれ含みと私は予想しています。年間を通じて、与信コストが会社見込みを下回ると予想しています。
3メガ銀行の与信コスト:2020年3月期~2022年3月期第1四半期
海外収益の拡大と、ユニバーサルバンク経営(証券・信託・リース・投資銀行業務などの多角化)によって、低金利でも高収益を稼ぐビジネスモデルができあがっていると考えられます。コロナが収束すれば、再び最高益を更新する可能性もあると考えています。