3.中国経済成長初期の業種構成比はこうだった 2004年当時、世界の工場で成長していた時代はそれほど大きな業種構成の違いはなかった

 図表3は、2004年当時の中国株各指数の業種構成比です。見てわかるように、前掲の足元の業種構成比に比べれば、それほど大きな差が見られないように感じます。

 エネルギーが多かったり、素材が多かったりの違いはありますが、足元の業種構成でニューエコノミーとした業種群の割合がどれも少ないように見えます。2004年当時では今の成長を支えているような企業は育っておらず、インフラ系企業中心でした。

 しかし、その後に大きな変化が起こり、ハイテク企業などのニューエコノミーを多く育てた深セン市場やUSX中国株などがパフォーマンスの引き上げに成功したようです。

 今後の中国株指数の行方ですが、足元の業種構成比がそのまま続いてしまえば、これまでの流れが続くことが予想されます。一方、パフォーマンス格差がついてしまった上海系指数がニューエコノミー企業の誘致などの改革を進めれば、景色は変わっていくでしょう。

 中国政府は米国上場の中国企業への締め付けなどを実施していますが、これが単なる締め付けなのか、それとも、中国株式市場の改革の一環なのか、今のところはよくわかりません。ただ、国を代表する企業が自国市場には上場せずに、自国の監視外である外国市場のみに上場するというのは自然な姿とは言えません。

 何らかの改革の一環だとすれば、それが進行していくことでパフォーマンス好転が期待できると思います。今後の株式市場の構造改革には注視したいと思います。

[図表3] 2004年当時の中国株指数の業種構成比

期間:2004年6月末時点での業種構成比(USX中国株指数は2004年10月末時点)
(出所)Bloombergデータを基に野村アセットマネジメント作成

<関連銘柄>
NEXT FUNDS ChinaAMC・中国株式・上証50連動型上場投信(証券コード:1309)

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