景気の先行き、決め打ちは禁物。ディープ・バリュー株に注目

 先ほど述べたのは、私の景気予想です。私の予想通りになるならば、日本株は今「買い場」です。ただし、景気予想は当たることもあれば外れることもあります。景気予想に賭けて、過度のリスクを取ることは禁物です。

 景気予測を当てることより大切なのは、投資銘柄の選別だと思います。投資する銘柄が「割安」であるか否かが大切です。

 財務内容が良好で収益基盤が堅固、配当利回りの高い割安な銘柄に投資すれば、たとえ景気予測が外れて日経平均が下がっても、相対的にダメージは小さいと思います。

 景気は循環します。いつまでも良いわけはなく、いつか悪化します。ただし、いつまでも悪いわけもなく、いつか回復します。割安な株に投資していれば、短期的に景気悪化で下がっても、次の回復期に株価はまた上昇することが期待できます。

 今、日本株には、株価指標や配当利回りで見て「きわめて割安」と判断できる銘柄が多数あります。英語でいうと、「ディープ・バリュー株」と呼ばれる銘柄です。

 三菱UFJ・FG(8306)など、国際展開が進んでいて収益力が堅固、財務内容が良好な金融株にディープ・バリュー株が多いと考えています。以下に投資の参考銘柄を挙げます。

投資の参考銘柄:高配当の金融株

コード 銘柄名 株価:円 配当
利回り
PER:倍 PBR:倍 1株当たり
配当金:円
8306 三菱UFJ FG 580.2 4.7% 8.8 0.44 27
8316 三井住友FG 3,708.0 5.4% 8.5 0.42 200
8591 オリックス 1,944.5 4.0% 9.5 0.77 78
8766 東京海上HD 5,295.0 4.1% 11.7 1.00 215
8725 MS&AD 3,420.0 4.7% 8.3 0.61 160
出所:配当利回りは今期(2022年3月期)1株当たり配当金(会社予想)を8月3日株価で割って算出。PERは8月3日株価を今期1株当たり利益(会社予想)で割って算出。告知事項:筆者は三井住友FG株を9,000株保有

 世界景気の影響をあまり受けない高成長株に投資する方法もあります。高成長株ならば、世界景気が悪化しても株価への影響はあまり大きくないと期待できます。

 ただし、成長株は当たり外れが大きいので、ホンモノの成長株を見つけられるか否かが鍵です。私はBASE(4477)(株価1,251円)、メルカリ(4385)(株価5,860円)などが有望と考えていますが確信は持てません。

 当面ディープ・バリュー株を主軸としつつ、成長株発掘にも挑戦していくので良いと思います。

 ディープ・バリュー株のさらに詳しい説明および投資参考銘柄について、6月15日に日経BPから発売された拙著「NISAで利回り5%を稼ぐ 高配当投資術」でも解説しています。ご参照ください。

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