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相場のサイクルと押し目買い
土信田 雅之
テクニカル風林火山
テクニカルアナリストの土信田雅之が、マーケットスピードを用いたテクニカルな視点で国内株式市場の動向を読み解いていきます。

相場のサイクルと押し目買い

2017/10/30
・7週連続で上昇。上昇ペースの勢いは衰え知らず
・利益確定や高値警戒感の売りをこなしつつ、高値を更新する展開になっている
・相場のサイクルは4つのステージに分けられる
・押し目買いは下げたらすかさず行うのではなく、再び上昇し始めたところで買うのが基本
・株価が上昇した日と下落・伸び悩んだ日の取引量を比較するなど、トレンド変化に警戒すること
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 先週の国内株式市場ですが、日経平均は上昇基調が続き、10月24日(火)まで16日間の連騰記録更新を演じました。25日(水)で記録はストップしてしまいましたが、それでも週末27日(金)の終値は2万2,000円の大台に乗せています。

■図1 日経平均(日足)の動き:2017年10月27日取引終了時点 

出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成


 いつもの通り、足元の日経平均の動きを上の図1で確認します。

 まずは週足ベースの上昇ピッチです。先週末の日経平均終値は2万2,008円でしたので、前週末の終値(2万1,457円)からの上昇幅は551円になります。7週連続で上昇したわけですが、この期間の上昇ピッチは、635円、387円、60円、334円、465円、302円、そして今回の551円となっており、上昇ペースの勢いは衰え知らずの印象です。

 次に、ローソク足の並びを見ていきます。週初の23日(月)は「窓」を空ける格好で2万1,500円の節目を突破しました。この日の日中値幅(始値と終値の差)は13円しかなく、「十字線」に近い形となって、「さすがに上昇一服か?」と思わせるようなスタートだったものの、以降は5日移動平均線をサポートにする格好で、利益確定や高値警戒感の売りをこなしつつ、高値を更新する展開になっています。ちなみに日経平均の2万2,000円台乗せは、1996年7月以来、21年3カ月ぶりです。

 特に、この2万2,000円台に乗せた27日(金)の1日の値動きに注目すると、一段高でスタートした後、上昇幅を縮小する動きを見せていたのですが、そこから切り返して上値を追う展開となり、後場に入って2万2,000円台に乗せ、もみ合いながらも水準を粘って維持していたことがわかります(下の図2)。

■図2 10月27日(金)の日経平均Tickチャート

出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成


 このように、足元の相場は上方向への意識の強さが感じ取れます。一連の株価上昇によって、日経平均は2万円、2万1,000円、2万2,000円の節目を次々に突破してきたわけですが、下の図3を見ると、これらの節目を突破した時のローソク足を見ると、いずれも陽線であるほか、出来高も多くなっていて、買いの勢いにともなった上昇と言えます。

■図3 日経平均(日足)と東証1部出来高の推移:2017年10月27日取引終了時点

出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成


 ただし、ひとつ気になる点があります。それは連騰記録がストップした25日(水)です。この日の値動きは高値更新でスタートした後、かなり上昇幅が縮小したため、やや大きめの陰線になっているだけでなく、出来高も増えています。この日の東証1部の売買代金は約3兆3,000億円なのですが、2万2,000円台に乗せた27日(金)の売買代金(約3兆1,000億円)よりも多くなっています。

 この25日(水)の取引自体が相場基調の変化を示すサインではありませんが、今後、株価が上昇した日の取引量よりも、株価が下落・伸び悩んだ日の取引量のほうが多い日が増えてくると注意が必要になってきます。

 一般的に、相場のサイクルは4つのステージに分けられます。底打ちや低迷期の第1ステージ、上昇トレンドの第2ステージ、上昇トレンドが頭打ちとなる天井圏の第3ステージ、そして下落トレンドの第4ステージです(下の図4)。


■図4 相場のサイクル

 

 現在の日経平均はまさに第2ステージに位置しています。また、4つのステージの中で最も利益が狙いやすいのもこの第2ステージです。

 そのため、上昇トレンドの基調が強いときには「稼げるうちに稼ごう」というムードが高まりやすくなります。過去につけた高値や節目の株価水準を上抜けるのはもちろん、過熱感や高値警戒が指摘されながらも上昇していくこともしばしば見受けられます。

 普通であれば、「今から買って高値づかみにならないか?」と不安になりがちですが、「たとえ株価が行き過ぎたとしても、いずれ調整局面を迎えて適正な水準に戻るので、上昇が続いている限りはその流れに乗ったほうが良い」というわけです。

 となると、不安な気持ちを抑え、第3ステージ以降の到来を警戒しつつ、上昇トレンドに乗るにはどうしたら良いのかが気になります。いわゆる「押し目買い」がポイントになります。

 押し目買いというと、上昇トレンドの中で株価が下げたところを買うというイメージですが、「買ったらそのまま下落し続けてしまった」という、“相場あるある”はよく聞く話です。押し目買いは下げたらすかさず行うのではなく、再び上昇し始めたところで買うのが基本になります。

 では、どこで押し目買いのタイミングを見極めたら良いのでしょうか? そこで、比較的よく知られている手法を紹介します。


■図5 「押し目買い」のタイミング例 

出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成


 上の図5の通り、下げ始めた株価が下げ渋ったときに直近高値同士を結んだ線を描き、そして、株価が戻ってこの線を上抜けたタイミングで買いを入れるというものです。ちなみに、図の右端では買いサインにならず、見送ったことが功を奏しています。

 足元の上昇局面では、一度だけこの手法がピタリと当てはまった局面がありました(下の図6)。急ピッチなトレンドが形成されている局面では、なかなか紹介したような押し目買いのタイミングが何度も現れるというわけには行きませんが、覚えておいて損はない手法だと思います。

 もちろん、トレンドは上値と下値を切り上げながら形成していくものですので、この形成パターンが崩れたときや、株価が移動平均線を下抜けたとき、そして先ほども紹介したように、株価が上昇した日と下落・伸び悩んだ日の取引量を比較するなど、トレンドの変化に対する警戒アンテナを張ることも忘れないことが重要になります。

■図6 「押し目買い」のタイミング例

出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成

 

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