2021年上期は半導体不足で利益率悪化へ、下期以降に復調見通し

現地コード 銘柄名
01316

耐世特汽車系統集団有限公司

(ネクスティア・オートモーティブ)

株価 情報種類

9.97HKD
(7/20現在)

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 BOCIは自動車部品大手、ネクスティアの2021年6月中間期の売上高について、小幅の減少を見込みながらも、世界全体の自動車生産が前年同期比10%超の落ち込みを示す可能性を考慮すれば、相対的に堅調と受け止めている。半面、半導体チップのリソース確保に伴う物流コストの増大で利益率が悪化するとみて、同期純利益が同20%程度落ち込む見通しを示した。続く下期の売上高に関しては、エンドユーザー需要の堅調やチップ供給量の持ち直しを理由に、上期の減収分を補うだけの伸びが期待できるとみる。また、世界的な電気自動車(EV)へのシフトの加速も、製品構成や市場シェアなどの点で、同社に有利に作用するとの見方。目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 2021年上期の売上高は1桁台半ばの減少率となる見込み。BOCIは地域別では、欧州、中国の売り上げが業界平均や市場予想を上回る水準に達するとみる。主にモナコ工場の継続的な強化や中国での新プログラムの始動が理由。ほかに、米ドル安(人民元とユーロの対米ドル相場は上期に平均8.6%、9.3%上昇)を受けた売上高の上乗せ効果が3,000億米ドルを超える見通しという。一方、北米部門の上期の売り上げについては、半導体不足による主要顧客2社(GMとフォード)へのマイナス影響を理由に、世界全体をアウトパフォームする可能性は低いとしている。

 上期には半導体確保に向けた物流コストの増大で、粗利益率が一時的ながら低下する見込み。これにより、減益率が減収率以上に拡大するとみられ、上期純利益に関するBOCIの予想は1億500万米ドルで、前年同期比約20%の減益を意味する。

 一方、世界的な自動車の電動化の加速は、同社の追い風となる。米国では、バイデン政権がインフラ整備や購入支援を含めた形で、EVの普及を支援する方針を表明済み。その結果、ゼネラルモーターズ(GM)もフォードも、EVモデルの投入計画を加速し始めている。具体的には、GMの「ハマー(Hummer)EV」やシボレー「シルバラード」、フォードの「F150」など。こうしたEVピックアップの多くはネクスティアの高出力ラックアシストEPS (REPS)を搭載しており、その平均出荷価格は明らかに上昇傾向。相次ぐ新型モデルの投入が、同社の製品構成の改善に直結する可能性が高い。同社はまた、中国国内の新エネルギー車スタートアップにも積極的にアプローチしているという。BOCIはREPSの技術的な優位を理由に、国内シェアを拡大する可能性が高いとみる。

 BOCIは物流コストの増大を理由に、2021-2023年の予想純利益を5-6%減額修正(最新予想は各2億3,800万米ドル、3億500万米ドル、3億5,200万米ドル)。これに伴い目標株価を引き下げたが、現在株価は米国市場の回復トレンドを反映していないと指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。