会社に投資することは、社長さんに働いてもらうこと?

シノちゃん 
え? 社長さんに働いてもらう!?

 

奥野さん 
そう。シノちゃん、知っているかな? 日本電産なら以前の社長の永守重信さん、フェイスブックならマーク・ザッカーバーグ、みたいなイメージだね。

 

シノちゃん 知ってる、知ってる!

奥野さん 会社の経営者は、株式を買うことで資金を投じてくれた株主のために経営戦略を練り、継続的に利益を稼ぐために努力をする。そして株主は、結果として会社が稼いだ利益の一部を、株式の持ち分に応じて得ることができる…というのが投資の仕組みだよ。

だから、経営者である社長さんの働き、力量次第ってことになるんだ。

シノちゃん そっか。社長さんにがんばってもらわないとね。

奥野さん そして、株主は利益をだまって待つだけじゃなくて、経営者がきちんと仕事をしているかチェックする必要がある。だから、前編で話したように、情報をきちんと見極めて、投資に値するか、自分で考えることが重要なんだ。

シノちゃん うん。「会社の価値を見極める」だよね!

奥野さん あともう一つ、違う視点で「投資」について、お話ししようね。

シノちゃんはまだ5歳でとっても若いから、あまり経験がないかもしれないけど、自分のためにお金を使うことも立派な「投資」なんだよ。

シノちゃん お金を使うのに投資? お金は使ったらなくなっちゃうでしょ!

奥野さん シノちゃん、自己投資って分かるかな?

自己投資の一番分かりやすい例は、勉強、つまり教育のためにお金を使うこと。本を買ったり、学校や塾へ行ったりするにはお金がかかる。でも、お金を払って身につけた知識は、やがて社会に出たときに、仕事や金銭的な報酬として返ってくる。

もちろん、教育だけではないよ。芸術に触れたり、旅行に行ったりして見聞を広めることも投資の一種だね。

シノちゃん そっか。いろんな投資の共通点は、お金を投じて必ず自分に返ってくるってことなのね。