Into The Groove 

 RBA(豪準備銀行)は本日、7月の政策会合を開きます。現在の豪の政策金利は0.10%。2020年11月に0.25%から0.10%に利下げしてから、今回で8カ月連続の「据え置き」を決定することは確実。RBAも他の中央銀行の例にもれず、国内雇用市場が回復してインフレ率が目標レンジ内で定着するまでは、現在の緩和政策を継続する考えです。

 しかし、投資家の間ではRBAが2023年第1四半期を目途に「利上げする」との見方もありました。それは、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策がタカ派にシフトしたことと関係があります。6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で公表されたドットチャート(米政策金利予想)で、米国が2023年末までに2回の利上げを行う可能性が高まった。RBAがこれまでFRBの政策動向をいかに注意深くフォローしてきたかを考えると、RBAが利上げに向けて準備を始めても不思議ではありません。

 RBAは今回の会合で、量的緩和の縮小と豪3年債利回り目標水準0.1%の維持の延長なしを表明する予定。同時に、ロウRBA総裁が非常に慎重な政策姿勢を前面に押し出すことで、全体のバランスを整えると考えられます。つまり「ハト派的緩和縮小」です。

 来年にも利上げするとの噂があったBOE(イングランド銀行)は、6月の会合で利上げの「り」の字も口に出さずハト派姿勢を固持しました。デルタ変異株ウイルスの感染者の急拡大で豪の最大都市シドニーがロックダウンになったことが、RBAの政策判断に大きな影響を与えることは明らかです。強気のRBAは期待できないようですが、反対にサプライズのハードルは低くなっているともいえます。