商品指数は少し調整、生産者物価指数は今後の消費者物価指数の上昇を予想させる

 今後の動向を推測していく上で、消費者物価指数の先行指数と言われている商品指数と米国生産者物価指数についても見ていきましょう。

ダウ・ジョーンズ・コモディティ指数の推移(2019年1月~2021年6月)

出所:S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスのデータを基にマネーブレイン作成

 商品指数は4月以降、再度上昇して水準を切り上げましたが、直近は少し調整してきています。

米国生産者物価指数の推移(2019年1月~2021年5月)

出所:米労働省労働統計局のデータを基にマネーブレイン作成

 生産者物価指数の5月の値は、前月比+0.8%、前年比+6.6%と大幅に上昇し、今年に入ってから前月比で高水準が続いています。

 商品指数と生産者物価指数、消費者物価指数の関係を見てみると、川上である商品指数の動向が2カ月遅れで生産者物価に影響し、さらに2カ月遅れで消費者物価に影響している傾向があります。

 4~5月の生産者物価指数が大幅に上昇していることから、6~7月の消費者物価指数の値は、前述の予測値以上の高いものになることが想定されます。

 これまでFRBのパウエル議長は「物価上昇は一時的」という発言を繰り返してきましたが、今回のFOMC後の記者会見においては、あくまでも一時的を強調してインフレを放置するのではなく、多少インフレを意識した発言に変わってきています。

 今後、利上げ観測がさらに早まることになるのか、引き続き、物価動向には注目していきたいと思います。