SaaS企業決算2:オクタ(OKTA)
オクタ(OKTA)の第1四半期(4月期)も、無難な内容でした。
EPSは予想▲20セントに対し▲10セント、売上高は予想2.39億ドルに対し2.51億ドル、売上高成長率は前年同期比+37.3%でした。
サブスクリプション売上高は前年同期比+38%の2.4億ドルでした。
カレント残存パフォーマンス義務(CRPO)は前年同期比+45%の9億ドルでした。残存パフォーマンス義務(RPO)は前年同期比+52%の18.9億ドルでした。
請求額は+74%の3.64億ドルでした。なお、請求額の計算はこれまでのサブスクリプション開始日ベースではなく、契約調印日ベースに変更されています。
また、2年目以降の請求は、契約調印日を迎えるごとに自動更新となります。
この改変による請求額増は7,100万ドルでした。それを差し引いた旧方式での請求額は2.93億ドルでした。前年同期は2.1億ドル、前期は3.16億ドルでした。
過去12カ月のダラー・ベースト・ネット・リテンション率は前年同期比▲1%の120%でした。
フリー・キャッシュフロー・マージンは前年同期比+40ベーシスポイントの21.0%でした。過去12カ月の「40のルール(=売上高成長率+フリー・キャッシュフロー・マージン)」は前年同期比+1%の55%でした。
総顧客数は前年同期比+27%の1万650でした。年間売上高10万ドル超の大口顧客は前年同期比+31%の2,075でした。
第2四半期のEPSは、予想▲11セントに対し新ガイダンス▲36~▲35セントが、売上高予想2.6億ドルに対し新ガイダンス2.95億~2.97億ドルが提示されました。
2022年度のEPSは、予想▲44セントに対し新ガイダンス▲1.16~▲1.13ドルが、売上高予想10.9億ドルに対し新ガイダンス12.15億~12.25億ドルが提示されました。
向こう5年間の売上高成長率は、最低でも年間35%を見込んでいます。
オクタのマイク・クーレーCFO(最高財務責任者)は退任します。これは2期連続でEPSガイダンスが低い数字となったことの責任を取ったカタチです。
オクタは前回の決算発表のとき、オースゼロ(Auth0)を買収しました。オースゼロ買収で新たな潜在マーケットを手に入れました。そこでいまは、マーケットシェアを取りにいく企業戦略が求められるわけです。
そこで費用を使い、積極経営に乗り出すわけですが、オースゼロは現場のウェブ・デベロッパーにまず食い込む営業スタイルなので、成約に至るまでの持ち出しとなる初期費用は大きく、逆に初期売上高は小さくなってしまいます。
これが2期連続でEPSガイダンスが低くなった原因です。
これはCFOからアナリストへの説明不足が原因であり、オクタの経営が鈍化しているということではありません。