伊藤忠・三井物産は今期最高益更新の見通しを発表

 大手総合商社5社の前期(2021年3月期)決算が出そろいました。コロナ禍で第1四半期(2020年4-6月)には戦後最悪の景気落ち込みがあったにもかかわらず、伊藤忠・三井物産・丸紅は高水準の純利益をあげました。

5大手商社の連結純利益:2019年3月期(実績)~2022年3月期(会社予想)

出所:各社決算資料より楽天証券経済研究所が作成
単位:億円
コード 銘柄名 2019/3 2020/3 2021/3 2022/3
会社予想
8001 伊藤忠 最高益
5,005
最高益
5,013
4,014 最高益
5,500
8002 丸紅 最高益
2,308
-1,974 2,253 2,300
8031 三井物産 4,142 3,915 3,354 最高益
4,600
8053 住友商事 最高益
3,205
1,713 -1,530 2,300
8058 三菱商事 最高益
5,907
5,353 1,725 3,800
  コロナショック  

 上の表をご覧いただくとわかる通り、伊藤忠・三井物産は今期純利益で最高益を更新する予想を発表しています。丸紅は、2019年3月期の最高益に並ぶ利益をあげる見通しを発表しています。この3社は好調です。

 利益モメンタム(勢い)が低いのが三菱商事と住友商事です。住友商事は、前期(2021年3月期)にマダガスカルのニッケル事業減損などがあり、1,530億円の純損失に陥り、今期(2022年3月期)も利益回復が鈍くなっています。三菱商事は、黒字を維持していますが、今期の利益回復は鈍い見通しです。

 利益モメンタムの差が、そのまま配当金に表れています。以下の表をご覧いただくとわかる通り、伊藤忠・三井物産は、コロナショックを超越して増配を続けています。

5大手商社の1株当たり配当金:2019年3月期(実績)~2022年3月期(会社予想)

出所:各社決算資料より楽天証券経済研究所が作成
単位:円
コード 銘柄名 2019/3 2020/3 2021/3
会社予想
2022/3
予想
8001 伊藤忠 83 85 増配 88 増配 94
8002 丸紅 34 35 減配 33 増配 34
8031 三井物産 80 80 増配 85 増配 90
8053 住友商事 75 80 減配 70 70
8058 三菱商事 125 132 増配 134 134
  コロナショック