損切り貧乏に陥る理由(3)逆に「損切らない貧乏」になっている

 筆者のところにも、個人投資家の方から「損切りが続いて損失が積み重なってしまう」という相談が寄せられます。

 また、筆者自身も損切りが何度も続くことがあり、当然ながら気持ち的にもよくありません。

 筆者は、損切りが続く時期もある一方、マーケット環境が好転すれば大きな利益を得ることができるため、トータルすれば十分なプラスが期待できることを長年の投資経験から知っています。だから損切りが続いても我慢できます。

 でも、株式投資を始めたタイミングが下落相場だったり、横ばいのトレンドだったりすると、いきなり損切りの連続…ということも考えられます。

 そんな時にぜひ皆さんに確認していただきたいのが、「もし損切りせず、持ち続けていたらどうなっていたか」ということです。

 損切りした結果5%のマイナス、でも損切りせずに持ち続けていたらマイナス20%の含み損…というのであれば、損切りをした結果、マイナスを小さく抑えられたことになります。マイナス20%をマイナス5%で抑えられたのなら、これは差し引きプラス15%と同じ効果を得ているのです。

 しかし、損切り貧乏になるからといって、適時に損切りを実行しないと、損失がさらに膨らみ「損切らない貧乏」になってしまうのです。

 ところで、損切りした後にその株の株価が上昇しても買い直しをしない方が多いですが、それも損切り貧乏の原因の一つになります。一時的な下落で損切りとなってしまっても、その後株価が切り返して大きな上昇につながるケースも多々あるからです。

 したがって、筆者は損切りした銘柄については、損切り後も日々株価チャートをウオッチして、反転上昇に転じたときに買い直しをするようにしています。

 さらに次回は、巷(ちまた)で語られている損切り貧乏の解決策が、実際には解決策になるどころか、逆に損失が膨らんでしまう恐れすらあることについて、ご紹介します。

 損切り貧乏を恐れて損切りしない、というのは本末転倒です。まずは損切り貧乏になる原因を知り、それをできるだけ回避する方法を知った上で、適切なタイミングで損切りをしていきましょう。

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