損切り貧乏に陥る理由(2)損切りルールが適切ではない

 損切り貧乏になってしまう、もう一つの大きな理由は、損切りのルール設定が適切でないことにあります。

 最も危険なのは、損切りのルール設定がない人です。ルールがないと、マーケットの動きにほんろうされてしまい、株価が大きく下落したときに半ばパニック気味に持ち株を売却してしまいます。本来なら株価が大きく下がる前に損切りをすべきなのに、株価が大きく下がってから損切りをすれば、損切り貧乏になってしまうのは当たり前です。

 また、よく言われる話として、「購入価格から10%値下がりしたら損切り」というものがあります。

 確かに損失の拡大を防ぐために損切りのルールは設けるべきですが、筆者の個人的な感覚としては、「10%のマイナスで損切り」というのは、ちょっとマイナスの割合が大きいように思います。長期的な下落相場であれば、おそらく買ってもほとんどの銘柄が下がってしまいますから、マイナス10%の損切りを繰り返していては、損切り貧乏になってしまう可能性が高いです。

 かといって、「マイナス1%」で損切りとか、「25日移動平均線を1円でも下回ったら」損切りというように、バッファーが小さすぎるのも考えものです。ほんのわずかの株価の変動で損切りになってしまい、まさに小さな損が積み重なってしまいます。

 筆者は「25日移動平均線からのマイナスかい離が2%程度」で損切りとしていますが、例えばマイナス5%までというように、もう少しバッファーを持った方が余計な損切りを少なくできます。

 一方で、バッファーを大きくすると、損切りとなった場合の損失も大きくなりますので、ご自身でしっくりくる水準を決められるといいと思います。