3.企業収益は堅調な推移を予想 日本企業の業績は、2021年度に+31.3%、2022年度に+14.7%と堅調な推移を予想

 上述した通り、株価は企業業績から推計する適正水準を大きく上回ってオーバーシュートしてしまいました。3本の線の一番上の線(15倍)は、足元の4月現在は2万5,000円程度です。

 株価は調整したとはいえ、5月12日でも2万8,000円程度であり、割高感は残っています。ただし、株式市場の支えとなる企業業績は今期(2021年度)も来期(2022年度)も堅調な伸びが予想されています。

 前掲のグラフのEPSはこの先も上昇を続け、2022年度には15%程度の増加が期待できます。4月現在で2万5,000円程度とした適正レンジの上限値である15倍の線は2万8,000~2万9,000円に達し、現状の株価水準は適正水準になります。

 したがって、企業業績が増益基調にある限りは、今後の株式市場が大崩れするとは見ていません。しかし、適正水準の上限に近い水準であることは十分に頭に入れておく必要があると思います。

 今年後半のマーケットを考える上では、今後の企業業績予想が重要です。今来期の企業業績がさらに加速する場合は、そうした動きを織り込む局面が早い段階で来ると思います。

 また、増益基調にある局面では、株価は適正レンジの上限付近をさまよう傾向があるため、今後の適正レンジ上限と考える2万8,000円よりも安い水準で低迷が続くとも考えにくく、早晩、見直し買いが入ると考えています。

[図表3] 日本企業の利益の推移

期間:2018年度~2022年度、年次
※TOPIX(東証株価指数)のEPS(1株当たり利益)、2020年度以降は野村證券予想
(出所)野村證券のデータを基に野村アセットマネジメント作成

<関連銘柄>
NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信(証券コード:1306)
NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信(証券コード:1321)

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