初心者時代の体験談

Q:投資を始めて最初の成功体験を教えてください。
A:リーマンショック後の資産低迷に耐えて投信積み立てで1,300万円以上の利益!

 世界経済に連動するインデックスファンドに毎月積み立て投資を始めたのは2007年で、翌2008年にはリーマンショックが発生し、世界的に株価が大暴落する時期でした。

 それから5年以上、積み立て購入していた投資信託の基準価額は下がり続け、2012年までの5年間で積み立てた700万円の基準価額は550万円まで下がりました。でも、景気の回復を信じてコツコツと積み立てを続けていたら、2013年に基準価額が反転上昇。

 総額800万円の積み立て投資で2,000万円を超える資産を築くことに成功しました。不景気の時期こそ、しっかり積み立て続けることが、資産を大きく増やす極意だと感じました。

Q:初心者時代の失敗談を教えてください。
A:株の短期売買にのめり込み、生活を楽しめなくなりました…。

 ブログ、書籍、セミナーなどいろんなところで学び、毎日のように個別株の短期売買をしていたときがあります。でも、のめり込み過ぎてしまい、毎日の食事の際の会話まで株の話が中心になってしまいました。

 株式投資に興味がない妻は相当つまらなかったと思います。大きな損失が出ると、バツが悪くなって急に株の話をしなくなるので、逆に怪しまれました。

 当時楽しみにしていた沖縄旅行の最中に、保有していた株が大幅に値下がりして、せっかくの旅行なのに、気持ち的に楽しめなくなったこともありました。旅の道中も「旅行に来る前にちゃんと売却していたら、その利益でこの旅行代もゼロ円だったのになぁ」とばかり考えていました。

 最初はワクワクして始めましたが、株の短期売買が面白かったわけではありません。短期売買してもうかると思っていただけで、うまくいかなくなると、チャートを見る行為すら苦痛になりました。

 のめり込んでいたときは個別株の値動きを毎日チェックしていましたが、結局4カ月くらいで短期投資はやめてしまいました。

 資産運用で大きな成果を出すなら、何よりも続けることが大切です。どんなに忙しくても、長期的に続けられる投資の方法を模索することの大切さを学びました。個別銘柄の短期売買は、自分には向いていなかったんだと思います。

Q:資金が少なかった時代にやってしまった失敗や、後悔していることなどを教えてください。
A:繰り返しになりますが、短期売買は本当にやらなかったほうがよかったです…。

 少額資金でしたが、短期売買は本当にやらなければよかったな、と後悔しています。5回勝って、1回負けても、その1回の負けが大きくて、5回分の勝ちが全部相殺されて逆にマイナスになることもありました。

 チャートを単に見るだけではなく、しっかりチャート分析することが本当に好きな人にしか短期売買は向いていないんじゃないかな、と思っています。

Q:さまざまな成功・失敗を経て確立した投資手法や投資哲学を教えてください。
A:世界経済の成長を信じてインデックスファンドに毎月、全力積み立て投資。投資の成果は10年サイクルで考えます。

 人口統計データによると2050年まで世界の人口は増え続け、それに合わせて世界の経済も成長することを知りました。

 とはいえ、一直線に右肩上がりで成長するのではなく、長期的に見たらリーマンショックのような不景気だって、この先、何度か起こる可能性があります。これから、どんなふうに株が上がるのか、また、いつ急激に下がるのかも分かりません。

 そうした経験を積んで「購入するタイミングを見極めるようなことはしない。今が好景気なのか不景気なのかを考えることもしない(将来、振り返って初めてわかることだから)」というのが僕の投資哲学になりました。

 その上で以下の3つのことを守っています。

  • 世界経済の成長に合わせて価格が上昇するインデックスファンドに毎月、全力の金額で積み立て投資しながら、いつか来る暴落に備えて自分が決めた売却ルールはしっかり守る。
  • 売却して得たお金は、10年に分けて毎月の積立金額に上乗せして、再度、投資に回す。
  • 10年に分けると、しばらくの間は積み立てに使わないお金が出てくるので、5年以上積み立てに使わないお金は個別株、金、仮想通貨、不動産などに振り分けて、新たな投資に使う。