アフターコロナでTOBされる可能性がある銘柄の条件

 コロナ禍で企業の置かれている環境は大きく変動しました。しかしコロナ禍でもTOBは引き続き例年並み、もしくはそれ以上に実施される見込みです。よって銘柄さえ選べば、TOBされるのを期待して投資する価値はあると考えています。

 アフターコロナでTOBされる可能性がある銘柄は、どのような特徴があるのでしょうか? これまでのTOB案件を踏まえ、銘柄を絞るための条件を4つご紹介します。

1.親子上場銘柄の子会社側

 1つ目の条件は、親子上場銘柄の子会社側であること。親子上場はガバナンス上の問題もあるため、親子上場しているメリットよりもデメリットが大きくなった場合、TOBによって子会社化される傾向があります。

 コロナ禍で親会社・グループ会社のどちらかの採算が悪化、弱体化した場合、TOBが実施される可能性は十分あるでしょう。

 もちろん親子上場銘柄以外のTOBに関しては、予測するのが非常に困難です。よって個人的には、親子上場銘柄に絞って投資を検討した方が効率的だと考えています。

2.PBRが0.7倍以下

 2つ目の条件は、PBRが0.7倍以下であること。TOBする側は買収にかかるコストを極力抑えたいので、子会社の企業価値が下がっているタイミングは「TOBのチャンス」とも言えます。

 通常でもPBR1倍以下は割安判断ができる状態ですが、さらに水準を下げた0.7倍以下の銘柄であれば、TOBされる可能性がさらに高まるでしょう。

3.コロナ禍の影響をダイレクトに受けていない業種

 3つ目の条件は、コロナ禍でその影響を直接受けていない業種であること。コロナ禍で直接的なダメージを受けた飲食業界や航空業界などは、積極的なTOBが実施しにくいと考えています。

 一方、一時的に株価を下げたとしても、直接的な影響を受けていない業種・企業であれば、時期が来たら業績は復調するので、TOBされる可能性があるでしょう。

 ただ現状、世界的に大規模な金融緩和政策が取られており、余ったお金が株式相場に流れています。そのため、コロナ禍で直接的なダメージを受けた企業でも株価が割高になっている可能性があるので、PBRをよく見て判断するのがおすすめです。

4.親会社にTOBをするだけの体力がある

 4つ目の条件は、親会社にTOBを実施できる体力があること。子会社相手にTOBする場合でも、その企業価値に値するだけの資金がかかります。

 さらにプレミアムを付与するコストも捻出する必要がありますので、親会社に資金力が十分あることは外せない条件と言えるでしょう。