初心者時代の体験談

Q:投資を始めて最初の成功体験を教えてください。
A:不人気だった介護関連銘柄を辛抱強く保有して10倍高を達成!

 介護付き有料老人ホームを運営するチャームケア・コーポレーション(6062)で10倍株を達成したことです。

 2012年に上場した同社をその年と2014年に購入しました。介護関連銘柄は制度改正のリスクが大きく、従業員が集まらないということで当時は不人気銘柄でした。しかも、新規の有料老人ホーム開設をハイペースで進めていたため、毎期の売上高が30%近く成長しているものの利益は低水準でした。

 しかし、ストックビジネス型の施設介護を手掛けているので、施設の稼働率を高水準で維持すれば安定的な売上、利益につながるはずです。

 新規老人ホームの開設費用を既存の施設からの収益で吸収できるタイミングになったら利益も増加するだろうと判断して、辛抱強く保有を継続。2016~2019年に株価上昇の過程で売却して、投資額の10倍の利益を出すことに成功しました。

Q:初心者時代の失敗談を教えてください。
A:損切りをした際、利益の出ている銘柄を売却して、損失と相殺していた…。

 損切りをした際に、利益の出ている銘柄を売却して、損失と相殺するという行動をとっていたことです。損失は損失で受け入れて、利益の出ている銘柄はなるべく長く保有して利益を伸ばしていかないと資産を増やしていけない、ということを学びました。          

Q:資金が少なかった時代にやってしまった失敗や、後悔していることなどを教えてください。
A:新しい銘柄を買うために、保有している株を薄利ですぐに利益確定していた…。

 銘柄をいろいろ見ていると、買いたい企業が次々と見つかります。その銘柄を買うために保有している株を小さな利益で利益確定してしまうことが多かったです。そんなことをしていては「損小利大」(損失は少なく利益は大きく)にならないので失敗だったと思います。

Q:さまざまな成功・失敗を経て確立した投資手法や投資哲学を教えてください。
A:「割安株の中長期投資」をずっと続けます!

 サラリーマンだと仕事時間中に相場を追い続けることができないので、FXやデイトレード、スイングトレードといった短期売買は向かないことがわかりました。それで、割安株の中長期投資に落ち着きました。

 さまざまな金融商品や投資手法に手を出すのではなく、「日本の割安な個別銘柄を購入して中長期保有する」というスタイルをずっと続けて、「失敗したときは反省して改善」を繰り返すことで、運用を洗練させていきました。