2.EUV露光装置の受注高が大幅増に

 今1Qの全社受注高は47億4,000万ユーロ(前年比53.6%増、前期比(前4Q比)11.8%増)となりました。このうちEUV露光装置は22億9,400万ユーロ(前年比49.0%増、前期比2.1倍)と大幅に増加しました。EUV露光装置の受注台数は不明ですが、台数、単価ともに、前4Qから増加したと思われます。

 会社側では、今期2021年12月期のEUV露光装置の販売台数を40台(2020年12月期は31台)と予想しており、前回予想から変更しませんでした。また、会社側は来期2022年12月期の販売台数を55台と予想しました。EUV露光装置の型式は今は「NXE3400C」ですが、来年は上位機種の「NXE3500D」になる見込みです。生産性が15~20%高くなるため、単価も来年はより高くなると思われます。

 また、今期は先端半導体、汎用半導体両方の生産販売好調による設備投資増加を反映して、EUV露光装置のみならず、ArF液浸露光装置、KrF露光装置も増加が予想されます。これらの旧式機種は研究開発費がほぼ必要ないため採算が良く、今期業績に寄与すると予想されます。

グラフ3 ASMLホールディングの新規受注高

(単位:100万ユーロ、出所:会社資料より楽天証券作成)

表4 ASMLホールディング:機種別サービス別売上高

単位:100万ユーロ
出所:会社資料より楽天証券作成

3.2021年12月期、2022年12月期の楽天証券業績予想を上方修正する

 会社側は今2Qと2021年12月期通期の業績ガイダンスを提示しました。それによれば、今2Q売上高は40~41億ユーロ、売上総利益率約49%、通期では前年比増収率約30%、売上総利益率51~52%などとなっています。このガイダンスに従えば、今2QはEUV露光装置のアップグレード・ソフトウェアが増えた今1Qほどではありませんが、業績は順調と予想されます。

 また、このガイダンスと今1Qまでの実績、業界環境等を総合的に考慮して、楽天証券では2021年12月期業績を、売上高182億ユーロ(前年比30.2%増)、営業利益60億ドル(同48.1%増)、2022年12月期を売上高235億ユーロ(同29.1%増)、営業利益85億ユーロ(同41.7%増)と予想します。前回の2021年12月期売上高165億ユーロ、営業利益54億ユーロ、2022年12月期売上高192億ユーロ、営業利益68億ユーロから上方修正します。

4.今後6~12カ月間の目標株価を、前回の750ドルから850ドルに引き上げる

 ASMLホールディングの今後6~12カ月間の目標株価を、前回の750ドルから850ドルに引き上げます。半導体の技術革新の最先端に位置する企業であることと、半導体設備投資ブームの中での成長性を評価してPEGを約1.0倍とし、2022年12月期の楽天証券予想営業増益率41.7%より想定PERを40~45倍としました。そしてこれを、楽天証券の2022年12月期予想EPS17.46ユーロに当てはめ、目標株価を710ユーロ、850ドルとしました。

 引き続き、中長期で投資妙味を感じます。