PCEデフレータ予測:4月から7月まで2%以上、コア指数は4月、5月に2%以上

 次に、FRBがより重視していると言われているPCEデフレータをみていきましょう。直近の2021年2月の数値は前年同月比+1.6%、コア指数で+1.4%となっています。

米国PCEデフレータの推移(2019年1月~2021年2月)

出所:米商務省経済分析局

 今後の予測においては、コア指数の1年前の値である+1.7%と直近値の+1.4%の平均値の+1.55%で上昇していくものと仮定します。また、季節調整はしないものとします。

出所:米商務省経済分析局の公表データを基にマネーブレイン作成

 PCEデフレータは4月から7月まで2%以上ですが、8月には2%を切る値に、コア指数も6月以降は2%を切る値となっています。

 予測値をみると、食品やエネルギーを加えた総合指数、特に消費者物価指数は大きく上昇しますが、FRBが重視するコア指数のほうは2%を十分に超える値が続くとは言えない状況にあります。これは、コア指数において大きな割合を占める家賃がコロナウイルス感染症の影響で1年前と比較して上がっていないことが大きな要因となっています。

 ただし、足もとではS&Pケース・シラー住宅価格指数(20都市)の1月の値が+11.1%となるなど、住宅価格は上昇ピッチを速めています。このことが今後、家賃の上昇につながり、コア指数の前年比での上昇に効いてくるかもしれません。