イオンの2021年2月決算は「ややポジティブ」

 3月期決算は、4月後半から本格化しますが、その前に2月期決算企業の決算発表が進んでいます。

 4月9日に発表されたイオン(8267)の2021年2月期決算は、「ややポジティブ」でした。最終損益が▲710億円と過去最大の赤字でしたが、それは、店舗等に係る固定資産の減損損失が出ているためです。

 長期的に収益力を高めるための構造改革の一環であり、ネガティブではありません。また、コロナ禍による休業期間中の賃料減免でも特別損失が出ました。これは、一時的損失と考えられます。

 前期の営業利益は、前期比30%減の1,505億円でした。会社予想(1,200億円~1,500億円)を上振れて着地したことはポジティブです。

 ただ、第3四半期(9-11月)の営業利益が過去最高益だったのに対し、第4四半期(12-2月)の営業利益は減益でした。まだ、回復は道半ばであることがわかります。

イオンの営業利益、四半期別内訳:2020年2月期と2021年2月期

出所:イオン決算資料より作成

 年度(2022年2月期)の営業利益(会社予想)は、2,000億~2,200億円と示されました。保守的(やや控えめ)な予想と考えられますが、上限において2020年2月期に計上した営業最高益を超える見通しとなっていることは、「ややポジティブ」です。