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著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「 [動画で解説]日経平均やや膠着 業績相場に移れるか?新年度、東証一部は4割増益見込む」
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日経平均は3万円前後で足踏み
先週(4月5~9日)の日経平均株価は、1週間で85円下がり、2万9,768円となりました。3万円前後で上値が重くなっています。景気・企業業績の回復期待を背景に昨年11月以降、上昇ピッチを速めてきた日経平均ですが、米長期金利が1.7%まで上昇したことをきっかけに、2月半ばから上値が重くなっています。
一時、1ドル110円を超える円安が進んだことが企業業績にプラス影響をもたらすと期待されるものの、4月9日には1ドル109.50円までドルは反落しており、為替がどの水準で落ち着くかまだわかりません。
確かに業績回復がここから加速していくか見極める間、日経平均はスピード調整が必要と考えられます。
日経平均株価の推移:2020年10月1日~2021年4月9日
言い方を変えると、日経平均は「金融相場から業績相場への移行期」に当たり、確かに業績モメンタム(勢い)が強くなって、業績相場に移行できるか見極めているところと言えます。
これから本格化する2021年3月期決算の注目高まる
2021年3月期の企業業績は、ジェットコースターのような展開となりました。第1四半期(2020年4-6月)に大きく落ち込んだ業績が、第2四半期(7-9月)から回復、第3四半期(10-12月)に回復が加速。非製造業の回復が遅れる中、製造業の回復が際立ちました。
これから発表される第4四半期(2021年1-3月)も、回復が続いていると考えられます。決算の注目点は、第4四半期(1-3月)の業績モメンタム(勢い)と、新年度(2022年3月期)の業績予想(会社が発表する予想)です。
新年度予想は、不透明要因が多いので保守的(低め)に出す会社が多いと考えられます。あまりに低い予想が出ると、失望して株価が下がる可能性もあります。
ただし、会社が出してくる新年度の業績予想が低くても、直前(2021年1-3月)の業績モメンタムが強ければ、業績予想は保守的(低め)で、先行き上方修正が見込めるとみなされます。そういう場合は、業績予想が低くても、株価が上昇することもあり得ます。
第4四半期(1-3月)の増益モメンタムと、新年度の会社予想を組み合わせて、決算結果がポジティブとみなされるかネガティブとみなされるかが、鍵となります。
イオンの2021年2月決算は「ややポジティブ」
3月期決算は、4月後半から本格化しますが、その前に2月期決算企業の決算発表が進んでいます。
4月9日に発表されたイオン(8267)の2021年2月期決算は、「ややポジティブ」でした。最終損益が▲710億円と過去最大の赤字でしたが、それは、店舗等に係る固定資産の減損損失が出ているためです。
長期的に収益力を高めるための構造改革の一環であり、ネガティブではありません。また、コロナ禍による休業期間中の賃料減免でも特別損失が出ました。これは、一時的損失と考えられます。
前期の営業利益は、前期比30%減の1,505億円でした。会社予想(1,200億円~1,500億円)を上振れて着地したことはポジティブです。
ただ、第3四半期(9-11月)の営業利益が過去最高益だったのに対し、第4四半期(12-2月)の営業利益は減益でした。まだ、回復は道半ばであることがわかります。
イオンの営業利益、四半期別内訳:2020年2月期と2021年2月期
年度(2022年2月期)の営業利益(会社予想)は、2,000億~2,200億円と示されました。保守的(やや控えめ)な予想と考えられますが、上限において2020年2月期に計上した営業最高益を超える見通しとなっていることは、「ややポジティブ」です。
2022年3月期の東証一部純利益は4割の増加を見込む
楽天証券では前期(2021年3月期)の最終損益は、微増益になったと予想しています。世界的な株価上昇の恩恵を受けソフトバンクグループ(9984)の損益が大きく改善する効果、10-12月以降、自動車や半導体などの製造業が急回復している効果によります。
楽天証券では昨年7月3日時点で、2021年3月期の東証一部純利益は小幅減益になると見ていましたが、それを上回る見込みです。
東証一部上場3月期決算、主要841社の連結純利益(前期比)
東証一部上場企業全体の純利益が、上記に挙げた主要841社と同じように増減するならば、TOPIX(東証株価指数)の今期(2022年3月期)予想PER(株価収益率)は17.5倍です。予想PERで見れば、現水準で日本株に割高感はありません。
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