※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
[動画で解説]日経平均3万円でも「日本株は割安」と判断する理由
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日経平均3万円はバブルか?

 日経平均株価が一時3万円を超え「これはバブルだ、いつか来た道だ」と声高に警鐘を鳴らす人が出てきています。私は、そうは思いません。日経平均が一時3万円を超えたのは、利益の拡大を織り込んで上昇してきた「普通の株高」と考えています。

 ご参考までに、以下、東証一部主要841社【注】の純利益推移と、先行きの予想をご覧ください。

【注】東証一部主要841社:純利益の増減益率が東証一部全銘柄とおおむね同じになるように、業種バランスなどを考慮して楽天証券で選んだ841社

東証一部上場3月期決算、主要841社の連結純利益(前期比)

出所:今期(2021年3月期)・来期(2022年3月期)予想は楽天証券経済研究所、2021年2月22日時点

 上記予想に基づき、東証一部全体が割高であるか割安であるか考えます。判断基準として、日本だけでなく世界中で使われているPER(株価収益率)を使います。

 上記予想をベースに東証一部上場企業全体のPERを推定します。日経平均3万円、TOPIX(東証株価指数)1,975ポイントを前提に、来期(2022年3月期)予想PERを計算すると、17.5倍です。世界各国の株価指数PERは、おおむね10~20倍に位置しています。歴史的にも、だいたい10~20倍で推移してきています。東証一部の予想PERはその範囲に入っているので、日本株は「妥当な水準」と考えています。

 配当利回りやPBR(株価純資産倍率)まで考慮し、さらに、デジタライゼーションや脱炭素で日本企業がこれから活躍すると考えると、日本株は「割安」と判断しています。