1.株価推移
<S&P500指数と大型テック5社の相対株価推移>
※2020年末=100
大型テック企業5社の株価は今年に入って二極化しており、アルファベット(GOOGL)とフェイスブック(FB)は、S&P500指数に対してアウトパフォームしています。一方、アマゾン・ドット・コムとアップルはアンダーパフォームしています。ただし、足元ではアマゾン・ドット・コムの株価の上昇基調が目立ちます。
アルファベットが買われている背景は、主力の広告事業の好調さにあります。2021年1-3月期業績はEPS(1株当たり利益)が144%増益となり、市場予想を68%上回りました。
「YouTube」が去年に引き続き好調を継続できており、月間のログインユーザー数は20億人以上、毎日10億時間以上の動画が視聴されている状況です。大企業の広告主にとって魅力的なツールになりつつあるようで、「YouTube広告」が49%増収と好調に推移していました。
フェイスブックも業績好調。こちらも主力は広告事業。広告の分野は、コロナ禍をきっかけに、エンターテインメントの需要がアナログのテレビからSNS・動画にシフトした流れを取り込めると評価されているようです。
一方、アマゾン・ドット・コム(AMZN)は、昨年のコロナ禍からの反動が懸念材料になっています。アマゾンは昨年の2Q以降に利益を大きく伸ばしたので、今後の四半期決算では非常に高いハードルが待ち受けています。リアル店舗に顧客が流れる可能性だけでなく、消費者がモノではなく旅行などのサービスにお金を費やすことも想定されます。