最強の米国株ETF「QQQ」

──S&P500以外の指数を用いる投資信託やETFで注目している指数はありますか?

 全米証券業協会が運営する電子取引市場「NASDAQ」に上場している銘柄のなかの時価総額上位100銘柄を対象とする「ナスダック100指数」というものがあります。これが非常に好調で、S&P500を上回るパフォーマンスを残しています。だから、この指数に連動する投資信託やETFも狙い目でしょう。

──なぜこの指数は好調なのでしょう?

 1つは、S&P500に比べて成長分野であるハイテク銘柄が多く組み込まれているためですが、もう1つ決定的な理由があります。今、米国経済をけん引しているのは、間違いなくGAFAMです。GAFAM5社を合わせると、時価総額は5兆ドルを超えます。これは米国証券市場全体の8分の1に相当します。で、S&P500にもナスダック100指数にもGAFAMが組み込まれているのですが、その比率が大きく異なります。S&P500では全体の20%弱なのに対して、ナスダック100指数では全体の約45%を占めます。

──各指数における組み込み比率は全銘柄一律ではなく、基本的には時価総額によって決められる。GAFAMは時価総額が桁違いだから、たった5社でそれだけの比率を占めるということですね。

 はい、とくにナスダック100指数は、全体が100銘柄ということもあって50%近くを占めます。その分、S&P500に比べるとGAFAMの成長の恩恵を受けやすく、パフォーマンスがいいわけです。

──なるほど、GAFAMが好調であれば、ナスダック100指数の優位が続くというわけですね?

 反対にGAFAMの成長に陰りが見えたら、S&P500に逆転されることになります。もちろん、ほかのハイテク銘柄の動向などにもよりますが。

──S&P500に連動する銘柄の代表がVOOだとすると、ナスダック100指数に連動する銘柄の代表は何になるんですか。

 インベスコ・パワーシェアーズという運用会社のETFである「QQQ」ですかね。実際、ここ数年のQQQの運用実績はVOOを大きく上回っています。今現在で言うと、QQQは日本から投資できる米国株ETFのなかの最強銘柄だと思います。

著書139ページのQQQとVOOのGAFAM組み入れ割合表。QQQのほうが、GAFAM比率が高く、GAFAMが大暴落しない限り成長が見込めそう。

──米国株投資を考えている人は要チェックといえそうですね。

 そうですね。今のところ、GAFAMが沈むとは考えにくいので、狙い目であるのは間違いないでしょう。

──ほかには何かありますか。

 例えばVOOやVTIを展開するバンガードには、特定のセクター(業種)に絞って投資するセクターETFというものがあります。「ハイテク」「一般消費財」「通信」「ヘルスケア」など何種類かあるのですが、このなかからパフォーマンスのいい銘柄を選んで投資するのもいいでしょう。それともう1つ、ゲーム関連銘柄および半導体銘柄に投資する「HERO」も面白いと思います。2019年に誕生した新しいETFなのですが、非常に優秀な成績を残していて、人気を集めています。

セクターETFなら、そのセクター全体に投資できるため、個別株と同じような値動き感を体感できる。個別株にチャレンジする前に一度セクターETFで様子を見るのがお勧め、と、もみあげさん。

──名称もユニークですし、ゲーム好きの人などは要注目かもしれませんね。では、次回は個別株投資についてお伺いします。

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