個別株投資に興味があるならETF

 米国株投資と一口に言っても、「投資信託」「ETF」「個別銘柄(株)」の、3つの投資方法があります。それぞれに特徴や個性、メリットやデメリットがあるので、著書の中でも導入編として丁寧に説明させていただきました。

もみあげさんの著書は、すべて数ページでコンパクトにまとめられており読みやすさが人気。スモールステップで理解が進む。
次の章へ進んでいけるので、挫折することが少ない。※画像をクリックするとpdfが開きます>>

──初心者はやはり、インデックスとETFが始めやすいと思うのですが、もみあげさんは、初心者になら、この2つだとどちらを勧めますか。

 投資信託とETFの違いは上場しているかどうかであって、さして違いはありません。だから、基本的にはどちらでもいいと思います。ただ、投資信託のほうが少額で購入できますし、初心者は買いやすいと言えるでしょう。

──それなら投資信託を推しますか?

 この先もインデックス投資しかやるつもりがないというなら投資信託でいいかもしれません。でも、個別株投資にもチャレンジしてみたくなる時がきっとあると思うので、投資信託の次のステップに進んでみたくなったら、ETFを買ってみたらいいと思いますよ。投資信託は1日に1度、基準価額(投資信託の値段)が算出されるのですが、ETFは個別株同様、リアルタイムで価格が変動します。だから、個別株投資をやっているような気分を味わうことができます。ETFの経験があると、個別株投資を始めやすいと思います。

──インデックス投資を始めるに際して、ほかに知っておきたいことはありますか。

 米国株の投資信託やETFは、米国の株式指数に連動して値が動くと言いましたが、銘柄によって用いる指数は違います。そして、それによってパフォーマンスが違ってきます。だから、投資信託やETFを購入する際には、どの指数を用いているのかをきちんと確認したほうがいいでしょう。

──最も一般的なのはS&P500を用いたものですよね。

 たしかに日本ではS&P500に連動する銘柄が、人気があるようです。ただ、それ以外にも魅力的な銘柄があります。

──例えばどんなものでしょうか?

 米国の大手運用会社、バンガードのETFに「VOO」「VTI」という人気銘柄があります。このうちVOOはS&P500に連動するタイプですが、VTIはS&P500を構成する500銘柄だけでなく、小型銘柄や中型銘柄も組み込んでいます。つまり、米国の大小あらゆる銘柄を投資対象にしているETFなんです。

 中小・中堅企業は短期間で爆発的に成長することがあります。そういう企業が複数現われると、VTIのパフォーマンスはぐんと上昇します。過去の実績ではVTIよりVOOのほうが勝っているので、確実性を求めるならVOOを勧めますが、中小企業の成長性に賭けてみたいという人はVTIを選ぶのも手だと思います。

著書75ページ掲載の、もみあげさんが注目する3つのETFの基本データ。