日系企業の駐在員として米国で暮らしながら、米国株投資を行っている、もみあげさんのインタビュー後編をお届けします。今回は、連続増配株、GAFAM、小型成長株など、個別株投資について伺いました。また、数ある米国株のなかの要チェック銘柄も挙げてもらいました。

初心者にうってつけ!超大型連続増配銘柄

──前回、米国株投資を始めるなら、インデックス投資も個別株投資も両方チャレンジしてほしいとのことでした。個別株には個別株の魅力があると思われているのですね?

 米国経済は成長し続ける、という前提で考えるなら、最も確実なのはS&P500やナスダック100指数に投資することです。このことを否定する人はいないでしょう。ただ、インデックス投資は、短期間で稼ぐというものではありません。20年、30年積み立てることで資産を増やしていくというものです。そういう意味では、自分が買った株が上がったときのワクワク感とか、売却して大金を手にしたときの喜びとか、株式投資ならではの醍醐味(だいごみ)やダイナミックさには欠けます。だから、個人的にはインデックス投資とともに個別株投資にもチャレンジし、投資の楽しさを両方、知ってほしいと思います。

──では、投資初心者が米国株の個別株投資を始めるとしたら、どういう銘柄を勧めますか?

 1つは、僕が投資を始めた頃に買っていたコカ・コーラやP&Gのような超大型銘柄でしょうね。

──コカ・コーラP&Gも倒産する可能性は低いでしょうからね。

 おそらく。それにこうした大型銘柄は配当金による利益を期待できます。コカ・コーラもP&Gも何十年も増配を続けています。不況で経営が苦しくても増配を続けてきました。利益を株主に還元するという姿勢を貫いてきたわけで、今後も減配する可能性はきわめて薄いといえるでしょう。

──米国には40年、50年連続で増配している銘柄が多いですよね。

 はい、誰もが知っている銘柄だと、マクドナルドジョンソン・エンド・ジョンソンウォルマートペプシコスリーエムなどもそうです。これらは初心者でも安心して投資できる銘柄の筆頭といえるでしょう。

──ほかにはどうですか。

 もう1つ挙げるならGAFAMでしょうね。前回、話したようにGAFAMは、米国企業のなかでも業績がズバ抜けています。しかも、今も成長を続けています。米国株投資を考えているなら、強力な候補になるでしょうかね。

──5銘柄どれでもOK?

 どれを選んでも大きな失敗はないと思いますよ。

──1つ選べと言われたら?

 どれも甲乙付けがたいですが、僕だったらマイクロソフトを買います。マイクロソフトは、ほかの4社と比べると、売上げ、利益の成長率ともに派手さはありません。しかし、収益構造のバランスがいいためか、堅実な成長を遂げています。株価の推移を見ても、ほとんど波がなく、何年も同じようなペースで上昇を続けているんです。これ以上ないというくらい盤石ですから、投資初心者にはうってつけだと思います。

──株価はどうですか。

 5つのなかで最も株価が高いのはアマゾンで、日本円に換算にすると1株30万円を越えます。グーグル(アルファベット)も15万円くらいです(※4月13日当時)。その2つに比べるとマイクロソフトは3万円程度と比較的買いやすいのも魅力です。

甲乙つけがたいがこの5つは手堅く将来性も見込める、ともみあげさん。ただ株価が高いので、ある程度資金を作ってからチャレンジしたほうがいいかも。