ドットチャート、パウエル議長会見でもハト派

 ドットチャート、パウエル会見ともに、「すぐに緩和縮小はない」と市場に安心感を与える内容でした。

【1】ドットチャート
 以下の通り、金融緩和とゼロ金利が2023年まで続くとの期待を維持する内容でした。

出所:FRB、前回とは2020年12月16日のこと

 上の表で、2021年末から2023年末まで、FF金利の予測(17人の中央値)は0.125%です。これは現在のFF金利誘導水準0.00~0.25%、つまり実質ゼロ金利が2023年末まで維持されるという予測となります。

 ただし、「その考えに賛成しなかった人が、17人中で何人いたか」に市場は注目していました。2021年中の利上げ予測は1人もいません。2022年末までに利上げがあると予測した人は1人から4人に増えました。2023年に利上げありと予測した人は5人から7人に増えました。

 利上げ時期が早まる見通しが出たものの、予測中央値で「2023年まで利上げなし」は維持されました。大多数のメンバーが2023年末まで利上げなしとの考えを維持していることがわかり、市場に安心感を与えました。

【2】パウエル議長の記者会見
 パウエルFRB議長は、マーケットに友好的に、つまりハト派(金融緩和の長期維持)色を前面に出して発言すると思われていました。その中に、少しでも先行きテーパリング(金融緩和の縮小)を示唆するワードが混じっていないか、市場は注目していました。

 今回の記者会見では、引き続き、長期的な金融緩和の必要性を強調するもので、市場の期待通り、ハト派だったと言えます。