今週の予想
今週から来週のSQにかけ、大きく調整するところは押し目買い有利
先週末に1,202円急落した日経平均株価、3月相場はどう見ればよいでしょうか。
基本は今年になって「もうはまだなり」の格言に絡む要注意の季節的アノマリー(経験則)としての「2月節分天井、3月彼岸底」をどうとらえるかということになります。
「2月節分天井」の動きですが、年末・年始の株高と新年への期待から1月は堅調に始まり、その余韻が2月まで続き、高値をつけることです。
その後、買い疲れが出て上値が重くなり、3月には確定申告と年度末の決算もあって調整しやすくなります。このとき、大口の個人投資家は税金の捻出のために株を売り、機関投資家は年度末でいったんポジションの調整を行います。3月に「彼岸底」を打てば、4月の新年度への期待が高まり、再び株価は上昇に向かうということになります。
3月の買いポイントは?
以上を考えると、まず3月の1つ目の買いポイントは、3月2週目の12日(金)の3月メジャーSQ(特別清算指数)に向けて下落すれば、買いチャンスとなります。
その後は、米株式の下落があれば連動しますので、そこでも買いポイントがあるかもしれません。
どこまで下がるのかは結果を見ないと分かりませんが、経験則では相場が調整気味のときは、SQの週の中頃・以降に安値をつけやすく、また、普通は調整というものは7~8%必要ですので、3万円の8%というと2,400円下がったところの2万7,600円水準があります。
本格調整は10%で3,000円近い下げですが、現在のような金余りの環境では、コロナ相場は継続するので、下値にも限界があります。
また、500円、1,000円は下げ止まるフシとして作用しますので、ここからであれば2万8,500円、2万8,000円、2万7,500円を下値ポイントとして想定しておくことができます。
先週末の日経平均の1,202円もの大幅下落のきっかけは、米長期金利の上昇ピッチが早くなり、1年以上も前の状態に急上昇したことです。長期金利の上昇の背景にあるのは、世界的にコロナワクチンの接種が進むことで、経済活動が正常化へ向かうとの期待で借入金コスト高となり、株価の上昇が止まってしまうという懸念があります。
ただ、現時点では新型コロナウイルス感染の終息は不透明であり、各国の中央銀行がすぐに金利政策を引き締める可能性は低いと思われます。
そういう意味では、今回の下げはスピード調整と見てよく、大きな下げがあれば買いチャンスといえます。ただし、今後も長期金利の動きには注意が必要です。