アマゾン・ドット・コム

1.2020年12月期4Qは43.6%増収、77.2%営業増益

 アマゾン・ドット・コム(ティッカーシンボルはAMZN、NASDAQ上場)の2020年12月期4Q(2020年10-12月期)は、売上高1,255億5,500万ドル(前年比43.6%増)、営業利益68億7,300万ドル(同77.2%増)となりました。引き続き好調な業績でした。

 この結果、2020年12月期通期は売上高3,860億6,400万ドル(同37.6%増)、営業利益228億9,900万ドル(同57.5%増)となりました。

表5 アマゾン・ドット・コムの業績

株価 3,328.23ドル(2021年2月18日)
時価総額 1,670,771百万ドル(2021年2月18日)
発行済株数 502百万株
単位:百万ドル、%、倍    
出所:会社資料より楽天証券作成。
注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。
注2:発行済株数は完全希薄化前(Basic)。

2.北米事業、AWSが好調。インターナショナル事業は黒字定着か。

 2020年12月期4Qをセグメント別に見ると、北米事業(ネット通販、プライムビデオなど)は売上高753億4,600万ドル(同40.4%増)、営業利益29億4,600万ドル(同55.1%増)となりました。北米の2020年クリスマス商戦は過去最高売上高を記録しました。営業利益率は2019年12月期4Q3.5%に対して2020年12月期4Q3.9%と上昇しました。

 インターナショナル(北米以外のネット通販、プライムビデオなど)は、売上高374億6,700万ドル(同57.3%増)、営業利益3億6,300万ドル(前年同期は6億1,700万ドルの赤字)となりました。営業利益率は1.0%と低いですが、2020年12月期2Qに黒字転換して以来、黒字が続いています。

 AWS(アマゾン・ウェブ・サービス。世界最大の商用クラウドサービス)は、売上高127億4,200万ドル(同28.0%増)、営業利益35億6,400万ドル(同37.3%増)となりました。順調な成長が続いていますが、営業利益率は28.0%と2019年12月期4Qの26.1%よりは高いものの、2020年12月期1~3Qの各々に比べ低下しました。世界各国、各業界の大手企業の顧客が増えていますが、マイクロソフト、グーグルなど競争相手との競争があること、大手企業顧客が増え、重要ネットワーク、重要システムの受託が増えるにつれコストアップになる部分もあると思われます。

表6 アマゾン・ドット・コム:セグメント別業績(四半期)

単位:百万ドル、%
出所:会社資料より楽天証券作成

表7 アマゾン・ドット・コム:セグメント別業績(通期)

単位:百万ドル、%
出所:会社資料より楽天証券作成

3.2021年12月期も好業績が予想される

 2021年12月期1Qの会社側業績ガイダンスは、売上高1,000~1,060億ドル(前年比32.5~40.5%増)、営業利益30~65億ドル(同24.8%減~62.9%増)です。この中には約20億ドルの新型コロナ関連費用を見込んでいます。

 楽天証券では2020年12月期4Qまでの実績を見る限り、各事業の勢いが強いため、2021年12月期1Qは売上高1,060億ドル、営業利益65億ドルと会社側ガイダンスの上限に達すると予想します。

 2020年は、新型コロナによる巣ごもり消費、テレワーク、在宅学習の拡大がアマゾンの北米と世界のネット通販事業、AWSに直接大きく寄与した1年でした。一方、2021年は新型コロナワクチンが多くの人達に対して有効となり普及すれば、アマゾンの売上高が昨年ほど伸びなくなるリスクもあります。

 ただし、各事業を世界展開したことによって、ネット通販、プライムビデオ、AWSなど各事業において新しい需要を掘り起こす体制が出来上がっていると思われます。そのため、新型コロナワクチンが普及したとしても、これまでの高い売上成長率が今期も続く可能性があります。

 また、北米、インターナショナルともに、ネット通販事業において規模の利益が発現することによって営業利益率が緩やかに上昇することが期待できます。2020年12月期の北米とインターナショナルの合計売上高は約3,400億ドル(約36兆円)なので、1%の営業利益率上昇は34億ドル(約3,600億円)の営業利益増加をもたらします。営業利益率の水準が未だ低いため(2020年12月期は北米3.7%、インターナショナル0.7%)、このことはアマゾンの北米、インターナショナル事業で引き続き大幅増益が期待できることを示しています。

 このような見方から、楽天証券ではアマゾン・ドット・コムの2021年12月期業績予想を、前回の売上高4,900億ドル(前年比26.9%増)、営業利益270億ドル(同17.9%増)から、売上高5,300億ドル(同37.3%増)、営業利益320億ドル(同39.7%増)へ上方修正します。また、2022年12月期は売上高7,040億ドル(同32.8%増)、営業利益440億ドル(同37.5%増)と予想します。

4.今後6~12カ月間の目標株価は前回の4,300ドルを維持する

 今後6~12カ月間の目標株価は、前回の4,300ドルを維持します。楽天証券の2021年12月期予想EPS 56.36ドルに、2021年12月期の予想営業増益率40%に対してPEG1.5~2.0倍、想定PER 60~80倍を当てはめました。

 引き続き中長期で投資妙味を感じます。

グラフ5 アマゾン・ドット・コム:北米事業の業績

単位:100万ドル
出所:会社予想より楽天証券作成

グラフ6 アマゾン・ドット・コム:インターナショナル事業の業績

単位:100万ドル
出所:会社予想より楽天証券作成

グラフ7 アマゾン・ドット・コム:AWS事業の業績推移

単位:100万ドル
出所:会社資料より楽天証券作成

グラフ8 アマゾン・ドット・コム:セグメント別売上高営業利益率

単位:%
出所:会社資料より楽天証券作成