3.アップル(AAPL):全カテゴリー好調。フィットネス体験等、時代の新しいニーズがチャンスに

 2021年1Q決算は、前年同期比21%増収、31%営業増益。売上高は過去最高となり、各プロダクトカテゴリーが2桁成長となった。地域別でも全てのエリアの売上高が過去最高を更新。インストールベースのアクティブディバイス数は16.5億台に拡大した(そのうちiPhoneは10億台)。

 カテゴリー別では、iPhoneが、新作「iPhone12」の寄与により17%増収。そのほか、「iPad」も、教育ツールとしての活用が広がったこと等から41%増収と好調。会社側によると「iPad」はドイツや日本の学校での導入が進んでいるもよう。さらに、今後の成長軸として注目が集まる「ウエアラブル、ホーム&アクセサリー」も、最新の「Apple Watch」「AirPods」「HomePod」が寄与し30%増収となった。ただし、2Q以降は、前期にコロナウイルス特需や「AirPods」のヒットがあった反動でハードルが高くなる点に注意が必要。

 今後特に注目したいサービスは、月額9.99ドルのサブスクリプション型フィットネス体験サービス「Apple Fitness+」。12月に米国で開始しており、今後はこれが「Apple Watch」購入の動機になる可能性がある。「Apple Fitness+」では、世界トップクラスのインストラクターが提供するさまざまなエクササイズ動画と「Apple Watch」を連動させることができ、ユーザーは心拍数や消費カロリー、カウントダウンタイマーを動画画面に表示することができる。オプションで他のユーザーのパフォーマンスと比較することもできるようだ。

4.フェイスブック(FB):着地は良かったが、会社側は今後の見通しに慎重

 2020年4Q決算は、前年同期比33%増収、44%営業増益と好調。フェイブック・デイリーアクティブユーザー数は11%増の10.84億人まで拡大した。

 ただし、会社側は今後の見通しに慎重。新型コロナウイルスの拡大とワクチン接種が同時に進むなか、IT関連製品やガジェットなどの人気が一巡する一方、旅行業などのサービス業態は本回復まで時間を要する可能性があり、広告主の需要の先行きが見えづらい状況のようだ。それに加え、プライバシー関連の規制の影響にも不透明感が残る。

 個人的に注目していたオンラインショッピングサービス「Shops」については、会社側は堅調とコメントしながらもまだスタートして間もないということで、具体的な数字やエピソードが確認できず物足りなさが残る。

5.アボットラボラトリーズ(ABT):医療機器や新製品の寄与により、新型コロナ特需で終わらない高成長を目指す

 2020年4Q決算は、29%増収、75%営業増益。同社は、ジェネリック薬、診断製品、栄養製品、および医療機器を展開するヘルスケアカンパニーだが、2020年は新型コロナウイルスの拡大により医療機器の販売が低迷した一方、感染診断の関連製品に特需が発生した。

 会社側は2021年について強気の見通しを公表。EPSを前年比35%増の5ドル以上にすると発表した。これは、パンデミック前の2019年度の50%以上の水準にあたる。これを達成する要素として、(1)ワクチン接種が進むなかでも、引き続き診断製品の需要が発生すること、(2)新型コロナウイルス感染の病床率が改善することによって、前年に苦戦した医療機器の需要が回復に向かうこと、(3)栄養製品の「Nutrition」(乳幼児等、大人を対象にした各種栄養補助剤)が引き続き伸びること、(4)パイプラインや新製品の寄与、を挙げている。例としては、今月、連邦医療保険プログラムのメディケアが、心臓の弁を修復する当社の「MitraClipG4」の補償範囲を拡大している。