パウエルFRB議長からメッセージ

 今回のFOMC声明の唯一の変更点は、成長と雇用の回復に陰りが出ていることを認めたことです。記者会見のパウエル議長は、目標に向けた実質的な進展が達成されるまでには時間がかかるだろうと述べました。そして景気が悪化するならば「FRBは緩和政策を追加する」。インフレについては、ベース効果(前年の数字が変化したことの影響が上昇率の数字に影響してしまうこと)を排除して、構造的な低インフレを監視すると述べています。

 今回のFOMCでは、緩和縮小については、時期尚早ということで議論や検討はされませんでした。パウエル議長は「実際の進展を見る必要がある」という姿勢。仮にFRBが緩和縮小を実施する場合は、事前にマーケットに周知徹底するので、サプライズはないと話しています。

 バイデン政権の景気刺激策で、FRBの緩和縮小まで先取りするまで過熱気味になっているマーケットをなだめること、それがパウエルFRB議長の記者会見の最大の目的だったかもしれません。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成