信託報酬の「高い」「安い」で比べがちな投資信託だけど…

 信託報酬をはじめとする、投資信託の「コスト」は、誰が見ても同じ料率で分かりやすいため、つい複数の商品(ファンド)を並べて「高い」「安い」と比べたくなります。

 しかし、あまねく投資信託の良しあしを信託報酬だけで判断できるかというと、残念ながらそういうわけではありません。

 今回は、投資信託にまつわるコストの中でも特に誤解の多い、信託報酬に焦点を当てて解説をします。

ところで信託報酬とは?

 信託報酬とは、投資信託の運用期間中に間接的にかかる費用のことで、どの販売会社で購入するかは関係なく、一律の料率が適用されます。実際には、目論見書に記載されている年率の値が日割りされ、基準価額の計算時に費用として投資信託財産から支払われています。

 つまり、毎営業日公表される投資信託の基準価額には、すでに信託報酬が反映されており、投資家が別途手数料を支払う必要はありません。

 では、ここで、信託報酬の理解度をチェックするために、1問クイズを出題します。

クイズアセットマネジメントOneが運用する次の2本の投資信託で、信託報酬控除後の運用成績がよかったのは、どちらのファンドでしょうか。 
  1. たわらノーロード 日経225
    5年間騰落率:+57.1%・信託報酬率(税込・年率):0.187%
  2. One国内株オープン
    5年間騰落率:+68.6%・信託報酬率(税込・年率):1.760%

※1は日経平均株価に連動した投資成果を目指すインデックス型ファンド、2はTOPIX(東証株価指数)をベンチマークとしたアクティブ型ファンドです。

※いずれも、販売手数料は無料(ノーロード)であると仮定した場合。
※データはいずれも2020年12月末時点。騰落率は分配金再投資後のトータルリターン。両ファンドとも、記載されている信託報酬以外の手数料はかからないものとします。