株価上昇でランク外になった銘柄も。相対的に建設株の順位がアップ

 ランキング上位には引き続き金融関連株や石油株が多くなっていますが、後半にかけて日経平均が一段高となったことで、ランキング上位銘柄の株価は総じて上昇し、配当利回り水準は低下しています。

 表中で1カ月の株価がマイナスパフォーマンスになったのは、りそなHLDG(8308)のみでした。相対的に銀行株のパフォーマンスは低くなっていますが、個人投資家の節税対策のための損出売りの影響も受けたとみられます。

 先月新たにランクインしたアサヒHLDG(5857)は、12月に株価が大きく上昇したことで、一転ランク外となっています。環境関連として評価が高まったことが株価上昇の要因とみられますが、先月の段階ではランキング上位の中で、最もコンセンサスレーティングが高かった銘柄でもあります。

 ほか、ランキング上位銘柄で大きな動きやニュースはありませんでしたが、相対的に上昇率が高かったのは熊谷組(1861)西松建設(1820)などの建設株でした。熊谷組にはアナリストの高評価などが観測されました。

 参考までに、コンセンサスレーティングが一定水準に達していない高利回り銘柄には、JT(2914)あおぞら銀行(8304)日本郵政(6178)コニカミノルタ(4902)ゆうちょ銀行(7182)長谷工(1808)などが挙げられます。

 とりわけ、JTは予想配当利回りが7.5%の水準にあり、コンセンサスレーティングも3.4となっています。配当権利落ちで直近株価が急落していることで、押し目買いの好機ともいえそうです。

相場の注目点

 短期的な相場の注目点としては5日の米国上院議会選挙が挙げられます。民主党が2議席とも確保して「ねじれ」が避けられることになれば、目先は大型インフラ投資実施の確度が増し、株高材料とされる公算です。米長期金利の上昇も加わって、高配当利回り銘柄などのバリュー株にとってフォローとなりそうです。

 ただ、中期的な観点からは、米国の増税策などが近いタイミングで視野に入るため、相場にはネガティブな方向となっていきそうです。国内での緊急事態宣言の発令も注目ポイントになります。今回は罰則を伴うものにもなりそうで、外食や小売り関連株などの打撃は大きくなってきそうです。

 銀行にとっては与信費用拡大などが警戒されることにもなり、マイナス材料となってきます。また、オリックス(8591)三菱UFJリース(8593)などの航空機リース事業への影響も警戒されそうです。