先週の「ジャンル横断・騰落率」を受けた今週の見通し

 先週は“強弱拮抗だった”と書きました。上昇銘柄数と下落銘柄数がほぼ同じで、騰落率の平均(最大最小を除く)がほぼ横ばいを示す+0.1%だったためです。国内外の主要市場が年末の売買が低迷する時期にあって、動意を見出しにくいことが、全体的な強弱拮抗の要因とみられます。

 先週の値動きは、ある意味“年末年始恒例”と言えますが、気になる点もあります。値動きは年末年始恒例でも、材料は例年通りではありません。例年になく、今年ある、“新型コロナの世界的な蔓延”に、留意する必要があります。

 先週から、新型コロナの“変異種”が世界に広がっているというニュースが目立つようになりました。英国や南アフリカだけでなく、デンマークやカナダ、日本などで“変異種”が確認されたと、報じられています。

 アフリカの西部のナイジェリアでは、“第3の変異種”と呼ばれる、上記の国で確認されているものと異なる変異種が確認されたと、言われています。

 2020年1月以降、世界各国は新型コロナの感染状況を“数”で追ってきました。例えば、感染者数、回復者数、病床の使用率、ワクチンの契約本数、ワクチンの流通までの日数などです。これらはいずれも、新型コロナ関連の事象を“数”で評価するものです。

 “変異種”が登場したことで、今後は、これまでの“数”に加えて、ワクチンの有効性や種類ごとの症状など、“内容”で評価することも求められます。とりあえず、目先、開発したワクチンが効くのか、変異種の症状は従来種とどのように違うのか、といった疑問について、専門家による研究結果を待つしかありません。

 これから人類は、(すでに第3まではあると報じられていますが、第4以降も想定すると)何通りもの“新型コロナ”と戦わなくてはならないのかもしれません。“数”と“内容”の両方の分野で知恵を絞り、対峙していくことが求められます。

“数”と“内容”の両面で戦うため、戦いが複雑化し、その分だけ戦いが長期化することが予想されます。このため、財政・金融両面での“コロナ対策”が長期化することが予想されます。

 前回本欄で書いた通り、主要国の金融緩和の長期化は、暗号資産・金(ゴールド)などの貴金属・主要株価指数の上昇要因になり得ます。

“従来種”、そして複数の“変異種”が蔓延して、経済がダメージを負う期間が長くなればなるほど、それと呼応するように、財政・金融両面での“コロナ対策”も長期化し、その結果、暗号資産・貴金属・主要株価指数に上昇圧力がかかる時間が長期化する可能性があると、筆者は考えています。

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