★今回の記事『「自社株買え」「配当増やせ」…株主総会で問われる株主の品格:資産運用で人格を磨く(6)』のオンライン解説を、1月9日(土)17:00~17:30に行います(参加費無料)。
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株主総会における「株価を上げろ」という発言
株主総会において、経営陣に対して「株価を上げろ」といった投資家の声があがっていることを耳にします。ほとんどの方が資産を増やすことを目的に株式投資をしていますので、その声自体、株主の意見として悪くないのですが、なにかモヤモヤしたものを感じます。なぜかというと、私は、何事も自我が強すぎるとうまくいかないという考えを持っていて、株主の「株価を上げろ」という発言の根底に「自分がもうかれば」という自我が見え隠れするからです。
より具体的にみていきましょう。
株価を上げるために株主が発言しそうな代表例は、次の2つでしょう。
「自社株買いをしろ」
「配当を増やせ」
さらに踏み込んだ要求をする株主は、次のような発言をするかもしれません。
「社員の給料を減らせ」
「福利厚生費を抑えろ」
「もっと経費を減らせ」
実際にその要求を経営陣が聞き入れ、自社株買いを行い、配当を増やし、社員の給料を減らして、福利厚生費などの経費を抑えた結果、株価が上昇したとしましょう。そのとき、要求した株主はどのような行動に出るでしょうか? おそらく、株価が上昇したところを売却して、さようならでしょう。