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2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、新たな生活様式が求められるなか、環境(E)、社会(S)、企業統治(G)の課題に積極的に取り組む企業に資金を投じる『ESG投資』が改めて注目されました。環境や社会に配慮しながら持続的成長が期待できる『ESG投資』は、世界で投資額が一段と拡大しています。日本においても個人向けの投資信託が数多く設定されるなど、『ESG投資』が普及してきました。
【ポイント1】2020年は『ESG投資』が世界の資産運用の主要テーマに
『ESG投資』は、従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)といった非財務面の要素も考慮した投資です。環境や社会に配慮した経営を行い、企業統治に優れた、持続的成長が期待できる企業を選別することによって、潜在的なリスクを排除し、長期的な収益確保を目指します。
2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、新たな生活様式が求められるなか、『ESG投資』が改めて注目されました。企業の脱炭素に向けた動きといった環境面のみならず、働き方や雇用維持といった社会面も材料視されました。ESGに優れた企業は社会の発展に貢献し、将来も持続的に成長するとの考え方が普及してきており、今や世界の資産運用の主要テーマになっています。
【ポイント2】日本株の『ESG投資』も拡大
米国の金融商品の調査会社であるEPFRグローバルによると、世界のESG株式ファンドへの資金フローは2020年に資金流入が加速しており、2017年末からの累計額は12月9日時点で約2,400億ドルとなっています。
日本株式を対象としたESG株式ファンドへの資金流入額も伸びており、同累計で約36億ドルとなっています。日本でもESG関連の投資信託が数多く設定されるなど、『ESG投資』は機関投資家だけでなく、個人にも広がってきました。
【今後の展開】2021年も注目される『ESG投資』
2021年も『ESG投資』の拡大傾向は続くとみられます。米国で環境問題を重視するバイデン新大統領が誕生することが確実になったことや、欧州を中心とした景気回復を環境重視で進める「グリーン・リカバリー」の動き、在宅勤務の推進などの働き方改革などが引き続き株式市場で注目されると思われます。菅首相による「2050年の温暖化ガス排出実質ゼロ」宣言も追い風となり、『ESG投資』が一段と拡大しそうです。