先週の「ジャンル横断・騰落率」を受けた今週の見通し

 先週は“おおむね強かった”と書きました。本コンテンツで参照している25銘柄のうち、先々週大きく反発し、利益確定の売りが出て反落しやすい状況にあった小麦と、金融緩和の継続が確認されたことで下落したドルを除く、ほぼすべての銘柄が上昇しました。

“ドル安”だった点は、“無国籍資産”の側面を持つ暗号資産と金(ゴールド)が上昇したことと符合します。そして(ドル安の要因とみられる)金融緩和の継続が示されたことで、景気回復期待が膨らみ、主要な株価指数が一様に上昇した点とも符合します。

 今後、先進国の中で、特に米国の金融緩和の継続・強化が進めば進むほど、先週のように、“ドル安”、そして“暗号資産高”、“金(連動して銀も)高”、“主要株価指数高”という動きがみられる可能性があります。

 そもそも現在の金融緩和は、新型コロナの感染拡大や感染拡大防止策を強化したことで生じている、経済的なダメージを回復させるために行われています。先週、FRB(米連邦準備制度理事会)、日本銀行、イングランド銀行など、主要国の金融当局が相次いで現在の金融緩和を維持する旨の声明を出したことは、彼らが、コロナで負ったダメージはまだ癒えておらず、引き続き、金融緩和による対処が必要である、という認識を持っていることを意味します。

 先週の声明で、FRBは、金融緩和を維持する期間について「完全雇用に近づくまで」としました。数日や数週間ではなく、少なくとも数カ月間、状況によっては数年間、金融緩和が継続することも視野に入ったと、筆者は感じています。金融緩和策の一環である“異例の低金利”については、すでに、数年間、継続することが明言されています。

 金融緩和の長期化は、暗号資産・金(連動して銀も)・主要株価指数の長期的な上昇要因になり得ます。今週以降も、先進国の金融当局の発言や会合後の声明、会合の議事録発表などに注目です。

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