筆者が5日移動平均線や75日移動平均線より25日移動平均線を好む理由

 日足チャートであれば、25日移動平均線だけでなく5日移動平均線や75日移動平均線も表示されていることが多いのです。実際、5日移動平均線や75日移動平均線を売買の判断に用いている方もいます。

 ただ、5日移動平均線を用いると買ったり売ったりと売買の回数が膨らみますし、余計な売買が増えることにより投資成果がダウンしてしまいます。

 75日移動平均線であれば、25日移動平均線より期間が長いので売買の回数は減ります。ただ、移動平均線を超えたり割ったりする時期が25日移動平均線よりもかなり遅れるので、その間の株価の変動により、利益の減少や損失の拡大につながるおそれがあります。

 もちろん、日足ではなく週足のチャートを用い、13週移動平均線や26週移動平均線を用いて同様のことを行っても全く構いません。しかしこの場合、上記の75日移動平均線のケースと同様、移動平均線を超えたり割ったりする時期が遅くなるため、利益の減少や損失の拡大の可能性が高まります。

 ですから筆者は、25日移動平均線を使うのがちょうどよいと考えているのです。

 売買は適当に行っている、という方や、いつ株を買ったり売ったりしたらよいのか分からない、と悩んでいる方は、筆者が実際に使っている「25日移動平均線ルール」も参考に、効果的なルールを設けて実践するように心掛けてみてください。

【新刊のお知らせ】

筆者・足立武志の最新刊の新書『お金偏差値30からの株式投資』(扶桑社)が2020年12月25日発売されます。

 この本は、楽天証券ウェブサイトや「トウシル」にて筆者が11年間、550回超にわたり連載したコラムから、株式投資で成功するための知識やエッセンスをまとめ、必要に応じて加筆修正した上で1冊にまとめたものです。

 550回ものコラムをひっくり返して読むのはさすがに大変…でもこの新書をご覧いただければ、筆者が株式投資で重要だと感じていることがきっと伝わると自信を持っています。

 11年にわたる連載を続けてこられましたのも、そしてこの本を発売することができますのも、ご覧いただいている読者の皆さんと関係者の皆さんのおかげです。この場を借りて厚く御礼申し上げます(足立武志)。