今日の注目通貨

ポンド/円: The Long And Winding Road

 英国とEUのブレグジットを巡る通商交渉で、一番の課題となっているのは漁業権。つまるところフィッシュ&チップスの販売権はどちらにあるかということですが、この問題の根は深く、英国の漁業関係者は長年、EUのCFP(共通漁業政策)に対して不満を持っていました。英国をブレグジットに突き動かした大きな原動力のひとつであり、2016年の国民投票では漁業従事者の92%が離脱派。ジョンソン首相にとっては大事な支持基盤でもあるので、簡単に譲歩はできないのです。

 交渉は継続ですが、果たしてジョンソン首相は本当に合意したいのか?ジョンソン氏はEU離脱をスローガンに掲げて首相になった人物なので、交渉失敗は政治生命の終わりを意味します。

 ジョンソン首相にとっては、中途半端に妥協するよりは、むしろ決裂させてその責任を全てEUになすりつけてしまったほうが、国内の支持は得られるでしょう。ところが問題は英国経済へのダメージ。経済を崩壊させたら、ジョンソン首相は非難されます。逆にいえば、経済が立ち直ってくれたら、大手を振ってブレグジットできる。英国が他国に先駆けてワクチン接種を始めたのは、このような理由もあると考えます。

ポンド/円:今週の予想レンジは 134.55円 から141.65円

 今週のポンド/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は138.10円。138.10円より上ならばポンド買い優勢、138.10円より下ならばポンド売り優勢。


◎天気の判定基準とは?

天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。

・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。

・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。

・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。

※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。