今日の為替ウォーキング
今日の一言
損失の恐怖を克服する最善の方法は、発生前に最悪の事態を想定することである
Will You Still Love Me Tomorrow?
パウエルFRB議長は雇用を増やしたいのか、それとも減らしたいのか?
パウエルFRB議長はこの日のスピーチで、はっきりと「雇用市場は減速するべき」との考えを示している。11月雇用統計のNFP(非農業部門雇用者数)の予想は20万人増だが、おそらく10万人増程度で十分と考えている。もしかするとマイナス成長でも良いと思っているのかもしれない。なぜなら、雇用市場の賃金上昇がインフレ率の下落を阻む大きな要因となっているからだ。
世界の中央銀行にとって、高インフレ率が最大の問題だ。中央銀行はインフレ率を引き下げるために何をしているのか。インフレ率の抑制には賃金コストを引き下げる政策が適切だと、FRBやECB(欧州中央銀行)は考える。しかし、実質所得(名目所得を物価の変動を考慮して調整された所得)が著しくマイナスになっている状況では、このような政策は理解を得られない。
そのため、需要を抑制することによって、企業の価格決定力と利益率を弱めることを中央銀行は考える。中央銀行は、原油価格や食料品価格の上昇を直接コントロールすることはできない。中央銀行にできることは、需要を後退させることしかない。
需要後退は、雇用の減少や雇用安定への懸念の高まり、あるいは所得の減少によって引き起こされる。給料が上がらない、リストラの恐怖など、将来の生活に対する不安が大きくなるほど、家庭はできるだけ出費を抑え、質素な生活を心がける。するとモノが売れなくなるから、企業は値下げするしかなくなる。これがFRBの狙うところだ。
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今週の 注目経済指標
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