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“石油統計の週”結果は!?
吉田 哲
週刊コモディティマーケット
コモディティ(商品)をお取引いただく上でのコメント・アイディアを提供するレポートです。金をはじめとした貴金属、原油をはじめとしたエネルギー関連銘柄、とうもろこし・大豆などの穀物な…

“石油統計の週”結果は!?

2017/4/14
石油関連の統計が相次いだ今週、足元のデータの確認、前回からの修正分を考慮した、おおまかな2017年の原油価格の動向は「夏場まで強含み・年末にかけて弱含み」。“石油統計の週”のトピックは、「世界の原油需給バランス」と「OPECの原油生産量」「OPECの減産体制」。
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今日の見出し

  • 石油関連の統計が相次いだ今週、足元のデータの確認、前回からの修正分を考慮した、おおまかな2017年の原油価格の動向は「夏場まで強含み・年末にかけて弱含み」。
  • “石油統計の週”のトピックは、「世界の原油需給バランス」と「OPECの原油生産量」「OPECの減産体制」。

先週“石油統計の週”としてお伝えした今週、以下のスケジュールのとおり、石油関連の統計が公表されました。(投機筋の買い・売りポジションの公表は日本時間明日未明となります。本レポートでは前回のレポート同様、前週の公表分を掲載しております)

図:4月9日の週の石油関連統計発表スケジュール

出所:筆者作成

今週公表された各種統計より、筆者が注目するデータを抽出しまとめてみました。

引き続きシリア等でのリスクの高まりが材料視される場面はあるものの、やはり今週も在庫や生産量の統計が公表されたタイミングで原油価格が動く様子が垣間見られたことからも、引き続き統計等のデータを追うことの重要性を感じたところです。

図:原油価格の推移 (単位:ドル/バレル) 2016年4月1日から2017年4月13日まで

出所:CMEのデータを元に筆者作成

石油関連の統計が相次いだ今週、足元のデータの確認、前回からの修正分を考慮した、おおまかな2017年の原油価格の動向は「夏場まで強含み・年末にかけて弱含み」。

注目していた15の項目において、前回発表分と今回発表された分の比較などで、原油価格への影響度について簡単な評価をしてみました。

強気一辺倒にも弱気一辺倒にもならず、強弱入り混じる状況でありました。総じていえば、目先数か月間は原油価格にとって強気な材料があるものの、年後半から来年前半にかけて弱気な材料があるということなのだと思われます。

あくまでも簡易的で筆者の個人的な見解である旨、ご承知おきください。

図:原油価格の推移 (単位:ドル/バレル) 2016年4月1日から2017年4月13日まで

出所:筆者作成

以下は各チェック項目の詳細となります。

“石油統計の週”のトピックは、「世界の原油需給バランス」と「OPECの原油生産量」「OPECの減産体制」。

世界の原油需給バランスの見通し

分類:世界・米国の原油需給バランス

影響:長期

参考統計:「短期見通し(EIA)」「月報(OPEC)」、「月次オイルレポート(IEA)」

統計の発表頻度:月次

・チェックしたい内容:

3月に公表されたデータでは、世界の原油需給バランスは、2017年は年末まで小幅に供給過剰と供給不足を繰り返す見通しとされていました。今月のデータではその見通しに変化はあるのか?供給過剰の解消状態(供給不足状態)で定着する見通しへ変化することはないのか?などをチェックしたいと思います。

・公表結果を受けて

小幅に供給過剰と供給不足を繰り返す状況に変わりはありませんでした。また、供給不足状態で定着する見通しへの変化もありませんでした。

3月に公表された見通しと今回公表された見通しを比較した場合、4月から9月前後にかけて需給がやや引き締まる方向、10月ごろから来年前半にかけて逆に需給が緩む方向、という修正が見られました。

この2017年夏場前後まで若干の強気修正、年後半から来年前半までの弱気修正という傾向は、後の段で触れますが、米国やOPECの原油生産の見通しの修正のされ方とほぼ合致しています。つまり、今回の修正の一因に、OPECと米国の生産量の増加が上げられそうです。

図:世界の需給バランスの推移(供給-消費) (左軸 単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータを元に筆者作成

図:2017・18年の世界の原油需給バランス(供給-消費)の見通し (単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータを元に筆者作成

米国の原油需給の見通し

分類:世界・米国の原油需給

影響:長期

参考統計:「短期見通し(EIA)」

統計の発表頻度:月次

・チェックしたい内容:

米国の原油在庫が記録的な高水準であることの一因と考えられる、米国内の原油生産量の増加と消費の伸び悩みについて、この傾向まだ継続するのか?(在庫が積み上がりやすい状況は継続するのか?)についてチェックしたいと考えております。

・公表結果を受けて

在庫が積み上がりやすい状況は継続するものと思われます。

米国の原油消費については、2017年10月ごろの数ヶ月間、日量25万バレル程度の上方修正が見られました。

一方、供給は前回同様、今年4月以降、2018年年末まで増加する見通しで、2017年4月から12月にかけて日量80万バレル前後の増加が見込まれています。

同期間の供給は4月公表の見込みで日量92万バレル増加(1,516万→1,608万)であるのに対して、消費は4月公表の見込みで日量53万バレル増加(1,962万→2,015万)となっています。

つまり、今のところ、今年の米国においては、原油の消費・供給ともに増加するものの、その伸びは供給が消費の1.7倍程度であるということであり、高水準に積み上がった同国の原油在庫の減少しにくい状況は継続するものと考えられます。

このような、世界最大級の原油の消費・生産国である米国動向は、世界の原油需給を引き締まりにくくする要因になっているものと思われます。

図:米国の原油消費見通し (単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者作成

図:米国の原油供給見通し (単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者作成

原油価格の見通し

分類:長期価格見通し

影響:長期

参考統計:「短期見通し(EIA)」、「月次オイルレポート(IEA)」

統計の発表頻度:月次

・チェックしたい内容:

今年1月から3月まで公表された3回分の統計では、2017年の原油価格の見通しはいずれも“ほぼ横ばい”とされてきました。2017年の原油価格見通しにおいて(上昇あるいは下落トレンドが発生すると見込まれる等)、変化は見られたかをチェックしたいと考えております。

・公表結果を受けて

2017年はほぼ横ばい(年末にかけて若干強含み)、2018年は年末にかけて上昇、という長期的なトレンド(流れ)に修正はありませんでした。

米軍によるシリア空爆によって、リスクが伝播する可能性があることから引き続き52ドルから53ドル近辺という、3月の急落後の高値圏で推移しています。

昨年のOPECによる減産決定後に上昇しその後つけた55ドル弱にやや届かずそのレベルを超えられない状況が続き、その後、今年後半から2017年の年末にかけて強含む展開と見通されています。

図:WTI原油価格見通し (単位:ドル/バレル)

出所:EIAのデータより筆者作成

米国の掘削リグ数

分類:米原油生産(在来型・シェール)および在庫

影響:長期

参考統計:「掘削リグ数」

統計発表頻度:週次

・チェックしたい内容:

このおよそ10か月間、増加傾向にある米国内の石油掘削リグ稼働数は、引き続き増加傾向を維持したか?増加であればどの程度増加したか?大幅減少というサプライズは起きなかったか?等をチェックしたい

・公表結果を受けて

リグ数は増加しました。大幅減少というサプライズはなく、14週連続増加となり、2015年4月の水準に達そうとしています。上述のとおり、米国の原油供給量も増加傾向であることから、数ヶ月前にリグによって掘削された抗井が後に油井となり、その油井からの原油生産が増加している可能性が考えられます。

掘削リグ数が継続して増加していることにより、米国の原油生産が今後、継続して増加する可能性があると思われます。

図:米国の掘削リグ数 (単位:基)

出所:ベイカーフューズのデータより筆者作成

米シェール主要地区の掘削リグ数

分類:米原油生産(在来型・シェール)および在庫

影響:長期

参考統計:「掘削リグ数」

統計発表頻度:週次

・チェックしたい内容:

この10か月間、増加傾向にある米国のシェールオイル主要生産地区の掘削リグ稼働数は、引き続き増加傾向を維持したか?増加であればどの程度増加したか?大幅減少というサプライズは起きなかったか?等をチェックしたい。

・公表結果を受けて

上述の米国全体のリグ数の増加と同様に、米国のシェール主要生産地区の稼働リグ数も増加する展開となりました。つまりこれは今年に入りそれまで減少傾向だった同地区からの原油生産が徐々に増加に転じていることの裏付けとなっていると考えることができそうです。

また、現在、米国全体の石油掘削のための稼働リグ数は683基ですが、米シェール主要地区のリグ数は474基となっております。(およそ70%がシェール主要地区のリグと推計)リグは石油開発を新規で行う際に用いられる機械であることから、シェール主要地区での新規開発が活発に行われていること推定されます。

つまりそれは、今後の米国国内の原油生産において、シェール由来の原油のシェアが高まる可能性を示唆しているように思えます。

図:米シェール主要地区の掘削リグ数 (単位:基)

出所:ベイカーフューズのデータより筆者作成

米国の原油在庫見通し

分類:米原油生産(在来型・シェール)および在庫

影響:中長期

参考統計:「短期見通し(EIA)」

統計発表頻度:月次

・チェックしたい内容:

高水準まで積み上がった米国の原油在庫について、見通しとして平時の水準まで減少する見通しは立っているのか?減少するのであればどのようなタイミングかをチェックしたいと考えております。

・公表結果を受けて

記録的な高水準で推移する米国の原油在庫について、まだ平時の水準まで減少する見通しは出ておりません。

むしろ、2017年5月以降、2018年末まで若干上方修正されました。つまり、高水準の原油在庫は引き続き高水準を維持し、(場合によっては)そのレベルがやや上がることが見込まれているということになります。

上述の米国の供給と消費の動向が影響しているものと思われます。

図:米国の原油在庫(商業在庫)見通し 長期 (単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者作成

図:米国の原油在庫(商業在庫)見通し 短期 (単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者作成

OPECの原油供給量見通し

分類:減産

影響:中長期

参考統計:「短期見通し(EIA)」

統計発表頻度:月次

・チェックしたい内容:

先月公表された見通しでは、今年の4月にOPECの生産量は生産目標の上限である3,250万バレル/日量を上回るとされていたが、その見通しに変化はあったか?

・公表結果を受けて

OPECの生産量は、3月時点では自身の生産上限である日量3250バレルを4月に上回るとされていましたが、今回の発表内容では、1ヶ月後ろ倒しとなり5月に上回るとされました。

また、2017年前半は下方修正、後半から2018年前半にかけて上方修正となりました。これは原油価格にとって、目先は前回予想に比べて強含み、年後半から来年前半にかけて弱含み要因となる可能性がある、という解釈となろうかと思います。

上限を上回るタイミングの見込みが4月から5月に後ろ倒しになったものの、予定している減産実施期間内に目標を超える見通しであることには変わりはなく、引き続きOPECの減産については強気になりにくい状況であるように思われます。

図:OPECの原油供給量見通し 長期 (単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者作成

図:OPECの原油供給量見通し 短期 (単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者作成

非OPEC(要減産11か国)の原油供給量見通し

分類:減産

影響:中長期

参考統計:「短期見通し(EIA)」

統計発表頻度:月次

・チェックしたい内容:

先月公表された見通しでは、要減産非OPEC11か国の生産量は生産目標の上限である1,841万バレル/日量(推定)を下回ることはないと見通されていたが、その見通しに変化はあったか?チェックしたいと考えております。

・公表結果を受けて

今回の見通しも、前回同様、非OPECは生産目標まで生産量を減らさない、というものでした。市場ではロシアの更なる減産が期待されていますが、要減産非OPEC11か国全体としては合意した目標を達成することは難しいように思われます。

4月の11か国の生産量の見通しが、3月よりも上方修正されたことからも、協調減産の効果を増すために必要な非OPECの減産が、今後なかなか進まない可能性があるように思われます。

しかし、減産期間は過ぎているものの、夏場から来年初頭にかけての生産量の見通しが下方修正された点は、強材料となる可能性はあるのかもしれません。

図:非OPEC(要減産11か国)の原油供給量見通し (単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者推計

図:非OPEC(要減産11か国)の原油供給量見通し (単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者推計

OPECの減産の進捗状況

分類:減産

影響:中長期

参考統計:「月報(OPEC)」

統計発表頻度:月次

・チェックしたい内容:

海外大手通信社がすでに伝えているように、先月(3月)、OPECは減産を順守したとされていますが、その状況をOPEC自らが公表する月報で確認したいと考えております。仮に順守していた場合、順守するとして合意した3,250万バレル/日量よりどれだけ少ない生産量だったか?その差分(予実の差)は前月よりも拡大したか縮小したかを確認したいと考えております。

・公表結果を受けて

12日(水)にOPECが公表した月報で、OPEC自身が公表した3月の生産量を確認したところ、OPEC全13か国全体で減産順守となっておりました。

全13か国合計で日量3,192.8万バレルとなり、減産目標である日量3,250万バレルを下回りました。順守状態は1月の減産開始以降、3か月間継続していることがわかります。

また、予実の差(目標上限の日量3,250万バレルとの差)は、1月が-47.4万バレル、2月が-41.9万バレル、3月が-57.2万バレルとなり、3月が最も減産を守った月となりました。

現在の減産は6月までであり、今後の動向に注視していきたいと思います。別途、EIAが公表しているOPECの生産量の見通しについては、上述の「OPECの原油供給量見通し」をご参照下さい。

図:OPECの原油生産量 (単位:千バレル/日量)

出所:OPECのウェブサイトより

減産における足並みの状態

分類:減産

影響:中長期

参考統計:「月報(OPEC)」

統計発表頻度:月次

・チェックしたい内容:

サウジ1国頼みの状態に変化は見られたか?さらにその度合が強くなったのか?逆に弱くなったのか?をチェックしたい。

・公表結果を受けて

サウジ1国頼みの状態は継続しているようです。

2月のサウジの生産量は他国に比べて大幅に上方修正されました。(上図)この修正により、2月の要減産国11か国合計の生産量も上方修正され、要減産国11か国の目標である2,908.4万バレル目標を守ることができませんでした。(下図)

サウジの生産量が上方修正され、要減産11か国全体で生産目標を順守できなかったと修正された、ということより、やはり減産体制はサウジ1国頼みの様相を呈していると考えられます。

図:3月公表の2月分と4月公表の2月分(修正後)の、生産量比較 (単位:千バレル/日量)

出所:OPECのデータより筆者作成

図:3月公表の2月分と4月公表の2月分の、減産順守国数の比較 (単位:千バレル/日量)

出所:OPECのデータより筆者作成

米国の原油在庫

分類:米季節要因

影響:中期

参考統計:「週間石油統計」

統計発表頻度:週次

・チェックしたい内容:

米国の原油在庫については、例年4月から7月のいずれかのタイミングでその年のピーク水準をうち、その後その年の冬場にかけて原油在庫が減少に向かう季節的な傾向が見受けられるようです。今年はまだ原油在庫の増加は止まっていないか?をチェックしたいと考えております。

・公表結果を受けて

12日(水)に公表された週間在庫統計によれば、高水準を維持している米国の原油在庫は、若干減少する展開になりました。しかし、この減少が季節的な減少傾向の始まりなのかどうかについては、まだ現段階では判断が難しいように思われます。

引き続き注視していきたいと思います。

図:米国の原油在庫 長期 (単位:千バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者作成

図:米国の原油在庫 短期 (単位:千バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者作成

米国のガソリン消費の見通し

分類:米季節要因

影響:中期

参考統計:「短期見通し(EIA)」

統計発表頻度:月次

・チェックしたい内容:

夏場に消費が増える傾向がある米国のガソリン消費は、今年どれだけ消費が伸びそうか?これまでの見通しがどのように修正されるか?をチェックしたいと考えております。

・公表内容を受けて

米国のガソリン消費は、2017・18年各年の年末を除き、減少する見通しに修正されました。夏場に年間の需要が高まる(季節的な要因により一時的に消費が高まる)傾向に変わりはありませんでしたが、そのレベルがやや低下した格好です。

ガソリンという石油製品消費の下方修正は、製品の原料である原油需要に影響を及ぼすと考えられ、引き続き、ガソリン消費の動向に注目することとなりそうです。

図:米国のガソリン消費見通し 長期 (単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者作成

図:米国のガソリン消費見通し 短期 (単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者作成

米国のガソリン在庫

分類:米季節要因

影響:中期

参考統計:「週間石油統計」

統計発表頻度:週次

・チェックしたい内容:

減少傾向が顕著になっている米国のガソリン在庫について、引き続き減少が確認されたかをチェックしたいと考えております。

・公表結果を受けて

米国のガソリン在庫は、2017・18年を通じてほぼ修正はありませんでした。夏場に年間の在庫が減少する(季節的な要因により一時的に在庫が減少する)傾向に変わりはありませんでした。

図:米国のガソリン在庫 長期 (単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者作成

図:米国のガソリン在庫 短期 (単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者作成

米国の製油所稼働率

分類:米季節要因

影響:中期

参考統計:「週間石油統計」

統計発表頻度:週次

・チェックしたい内容:

米国内の製油所稼働率は、例年7月前後のタイミングでその年のピーク水準をうち、その後その年の冬場にかけて低下する季節的な傾向がみられ、今年は徐々に上昇傾向にあります。まだ米国の製油所稼働率の上昇余地はあるか?をチェックしたいと考えております。

・公表結果を受けて

製油所稼働率は、前週の90.80から91.00となり、やや上昇しました。春先から夏場のガソリンの需要期にかけて上昇する傾向が見られますが、今後、どのタイミングでどの程度まで上昇するか注目したいと思います。昨年は4月後半から上昇しはじめ、9月上旬にその年のピークである93.70を付けました。

2012年から昨年まで、春先から夏場までの製油所の稼働率の上昇幅は、7%程度上昇していたことから考えれば、今年は3月の85.1を今年の底としたとして、昨年までと同程度の上昇が見られれば、92.00から93.00程度までの上昇が見込める計算になります。

このように考えれば、現在はすでに上昇傾向の中にあり、今年の上限付近に接近しつつあると考えることもできるように思われます。つまり、季節的な製油所の稼働率の上昇≒原油消費の増加という材料による原油価格の上昇期待はなかなかのぞみにくいように考えられます。

図:米国の製油所稼働率の推移 中期 (単位:%)

出所:EIAのデータより筆者作成

図:米国の製油所稼働率の推移 短期 (単位:%)

出所:EIAのデータより筆者作成

IEAのアナウンス

分類:その他短期要因

影響:短期

参考統計:「月次オイルレポート(IEA)」

統計発表頻度:月次

・チェックしたい内容:

ここ数か月間で、減産進捗率はこれまでにない程“高水準”など、減産を高評価する発言がなされており、今回もその方針に変化がないかチェックしたいと考えております。

・公表結果を受けて

IEAは「世界の原油市場の需給は均衡に近づいている」「世界全体では第1四半期の原油在庫は小幅増加にとどまった」などと報じています。継続して減産に直接的に触れないながらも、世界の原油の需給バランスは引き締まっている方向に向かっていることを示唆しているようです。

こうした価格上昇につて前向きなアナウンスは引き続き原油価格の下支え要因になるものと思われますが、需給の緩み、OPECの減産体制の不調などを覆す決定的な要因にはならないのではないかと筆者は考えております。

投機筋のポジション

分類:その他短期要因

影響:短期

参考統計:「建玉明細」

統計発表頻度:週次

・チェックしたい内容:

“買い減少・売り増加”の傾向を示す足元の投機筋のポジションについて、この傾向は継続したか?変化したか?をチェックしたいと考えております。

・公表結果を受けて

投機筋の売り買いについて、買い・売りともに減少する展開になりました。

毎週火曜日時点のデータがその週の金曜日に公表されますので、このデータは先週火曜日時点のものとなり、今週火曜時点のデータは本日(4月14日)に公表されることになります。

買いの減少は目先の原油価格の方向性を下落する方向で見る向きによるものと解釈できますが、一方で、高水準まで高まったポジションの解消は、後の買いポジションの積み上がり余地が拡大したこととも考えられ、今後減少が継続するのか、余地を埋めるように買いが再び増加するのか、引き続き注目したいと思います。

売りについては、やや減少となりましたので投機筋の積極的な売り仕掛けは一旦は収まったように思われます。

図:投機筋のポジション (単位:枚)

出所:CFTCのデータより筆者作成

特に見通しについては、今後、修正されていく可能性がありますので、あくまでも現段階としての内容と考えております。今後、随時、本レポートで重要と思われるデータについて更新していきたいと思っております。

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